脳梗塞(のうこうそく:cerebral infarction)突然の片麻痺・ろれつ困難 — 4.5 時間のゴールデンタイム
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脳梗塞のサイン(FAST)「いつもと違う」が"突然"なら 119
脳梗塞は発症からの時間が勝負です。代表的なサインの頭文字をとってFAST(Face=顔・Arm=腕・Speech=言葉・Time=時間)と呼びます。本人より、ご家族や周囲の方が先に気づくことも多いサインです。
こんな症状が"突然"出ていませんか?
- 突然、片側の手足に力が入らない・しびれる
- 突然、ろれつが回らない・言葉が出ない・他人の言葉が理解できない
- 突然、顔の片側がゆがむ・口角が下がる
- 突然、片方の目が見えない・視野が欠ける・物が二重に見える(目の病気ではなく脳の血管が原因のことがあります)
- 突然、激しいめまい・ふらついてまっすぐ歩けない
1 つでも当てはまり、それが"突然"なら119 を最優先に。「いつから普段通りだったか」をメモしておくと、治療の時間制限を判断する大切な情報になります。迷うときは当院(0942-42-1155)にもご相談ください。
脳梗塞の 3 つの病型原因が違えば、再発を防ぐ薬も変わります
同じ「脳梗塞」でも、血管が詰まる原因によって 3 つの病型に分かれます6。どの病型かを見極めることが、再発予防の薬を決める第一歩になります。
気になるカードをタップすると詳しい説明が開きます
① 心原性脳塞栓症
重症になりやすい
心臓からの血栓が脳の太い血管をふさぐ
心臓(主に心房細動)にできた血栓が血流に乗って、脳の太い血管を突然ふさぐタイプ。広い範囲が一気に傷つきます。
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前ぶれなく突然起こり、太い血管がふさがるため重症になりやすいのが特徴です。再発予防の主役は抗凝固薬(血を固まりにくくする薬)です1。
- 背景に心房細動などの不整脈が多い
- 突然・広範囲で、重症になりやすい
- 予防の主役は抗凝固薬
② アテローム血栓性脳梗塞
動脈硬化が背景
太い血管の動脈硬化で詰まる
首〜脳の太い血管が動脈硬化(プラーク)で狭くなり、そこで詰まったり、はがれた血栓が先へ飛んで詰まるタイプです。
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高血圧・糖尿病・脂質異常症・喫煙といった生活習慣病が背景にあります。予防は抗血小板薬とコレステロール管理(スタチン)、生活習慣の見直しが柱です1。
- 首や脳の太い血管の動脈硬化が原因
- 高血圧・糖尿病・脂質異常・喫煙が背景
- 予防は抗血小板薬+スタチン+生活習慣
③ ラクナ梗塞
高血圧が最大の背景
脳の奥の細い血管が詰まる小さな梗塞
脳の奥にある細い血管が詰まって起こる小さな梗塞です。比較的軽いことが多いものの、繰り返すと影響が積み重なります。
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高血圧が最大の背景です。1 つ 1 つは軽いことが多いですが、繰り返すと認知機能やバランスにも影響します。予防は血圧管理を軸に、必要に応じて抗血小板薬を用います1。
- 脳の奥の細い血管が詰まる
- 最大の背景は高血圧
- 予防は血圧管理+抗血小板薬
脳梗塞のリスク因子多くは「管理すれば予防できる」生活習慣病
脳梗塞の危険因子の多くは生活習慣病で、きちんと管理すれば発症や再発を防げるものです1。気になる項目がある方は、症状が出る前に一度ご相談ください。
こんなリスクはありませんか?
- 高血圧(最も大きなリスク。ラクナ梗塞・脳出血とも深く関わります)
- 糖尿病・脂質異常症(動脈硬化を進めます)
- 心房細動などの不整脈(心臓に血栓ができやすくなります)
- 喫煙・過度の飲酒
- 肥満・運動不足
これらは多くが生活習慣病で、治療や生活の見直しで管理できるリスクです。当院では血圧・血糖・コレステロール・心房細動のチェックと管理を通じて、脳梗塞の予防をお手伝いします。
検査・診断病型を見極めて、再発予防の薬を決めます
脳梗塞の診断では、梗塞そのものを確認するだけでなく、どの病型か(心原性・アテローム血栓性・ラクナ)を見極めることが大切です。それによって再発予防の薬が決まるからです6。
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MRI・MRA
早期の小さな梗塞や、血管の狭窄(細くなり)を確認します。発症してまもない小さな梗塞も MRI でとらえやすくなります。
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心電図・ホルター心電図
心房細動などの不整脈を捕まえます。短時間の心電図では見つからないこともあるため、長時間記録するホルター心電図(小型の機械を体につけて 1 日ほど心電図を記録する検査)を行うこともあります。
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頸動脈エコー
首の動脈の動脈硬化(プラーク)や狭窄の程度を、体への負担なく調べます。
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血液検査
血糖・コレステロールなど、動脈硬化の背景になる生活習慣病を調べます。
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病型の判定と方針の相談
これらの結果から病型を見極め、再発予防の薬と生活管理の方針をいっしょに決めます。
脳梗塞の治療急性期の治療は連携する専門病院が担います
発症直後(急性期)の治療は時間との勝負で、設備の整った専門病院で行われます13。当院は症状に気づいた方を速やかに専門病院へおつなぎし、その後の再発予防と長期フォローを担当します。
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① 超急性期
t-PA(アルテプラーゼ静注)
発症から4.5 時間以内に、詰まった血栓を薬で溶かす点滴です。早く始めるほど効果が高くなります。
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血管に詰まった血栓を溶かして、血流を取り戻すことをめざす治療です。出血のリスクなどを慎重に確認したうえで、適応がある方に専門病院で行われます13。
- 適応は発症 4.5 時間以内
- 早く始めるほど効果が高い
- 適応の見極めと実施は専門病院で
② 太い血管の閉塞に
血栓回収療法
太い血管が詰まったとき、カテーテル(細い管)で血栓を直接回収する治療です。画像評価で適応があれば最大 24 時間まで検討されます。
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足の付け根などからカテーテル(細い管)を入れ、詰まった血栓を取り除きます。発症から時間が経っていても、画像で救える脳が残っていると判断されれば検討されます45。
- 太い血管の閉塞が対象
- 画像評価で適応があれば最大 24 時間まで
- 実施は専門病院で
③ 急性期の入院治療
全身管理・薬物治療
脳卒中専門の病棟で、点滴や抗血栓薬による治療、合併症の予防など、全身を見ながらの管理が行われます。
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血圧や水分・栄養の管理、肺炎などの合併症予防を行いながら、病型に応じた抗血栓薬での治療を進めます1。
- 脳卒中ケアユニットでの全身管理
- 点滴・抗血栓薬による治療
- 合併症(肺炎など)の予防
④ 回復をめざして
リハビリテーション
手足の動きや言葉・飲み込みの回復をめざし、できるだけ早期からリハビリを始めます。
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早期から始めることで、機能の回復と生活への復帰がしやすくなります1。急性期病院から回復期のリハビリ病院、在宅へと、段階に応じて続けていきます。
- できるだけ早期から開始
- 手足・言葉・飲み込みなどの回復をめざす
- 生活への復帰を見すえて継続
再発予防病型によって、使う薬が変わります
脳梗塞は再発しやすい病気です。だからこそ、病型に合わせた薬と生活管理で再発リスクを減らすことがとても大切です1。時間が経っていても、再発予防は今日から始められます。
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心房細動(心原性)→ 抗凝固薬
心房細動が背景にある心原性脳塞栓症では、抗凝固薬(血液が固まりにくくなる薬)で心臓にできる血栓を防ぎます1。
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アテローム血栓性・ラクナ(非心原性)→ 抗血小板薬
動脈硬化が背景のアテローム血栓性脳梗塞では、抗血小板薬(血小板が固まるのを抑える薬)が中心で、必要に応じてコレステロールを下げるスタチンも使います。ラクナ梗塞では血圧管理がとくに重要です1。
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共通の土台 — 生活習慣病の管理
どの病型でも共通して大切なのが、血圧・血糖・コレステロールの管理、禁煙、適正体重、適度な運動です。
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再発リスクが高い時期を知る
再発は発症直後〜 1 年がとくに高リスクです1。それでも、継続的な管理で再発リスクを下げられます。あきらめず続けることが力になります。
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自己判断で薬をやめない
調子がよくても、自己判断で薬を中断しないでください。中断は再発の引き金になります。気になることがあれば、まず主治医にご相談ください。
当院でできること受診の振り分け・再発予防・長期フォロー
急性期の治療(t-PA・血栓回収療法)は、設備の整った専門病院へ救急搬送して行います。当院は地域のかかりつけとして、その前後を支えます。
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気になる症状の相談・受診の振り分け
「これは脳梗塞かもしれない」という症状の相談を受け、必要な検査や受診先を判断します。緊急のときは迷わず 119です。
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再発予防の薬とリスク管理
病型に合わせた薬の処方と、血圧・血糖・脂質・心房細動などのリスク管理を継続的に行います。
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退院後の長期フォロー・リハビリ連携
退院後の経過を地域で見守り、必要に応じてリハビリや他の専門職と連携します。
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MRI などでの予防的チェック
気になるリスクのある方には、MRI・頸動脈エコー・心電図などで、症状が出る前のチェックを行います。
救急対応が必要なサイン様子見せず救急要請を
以下にあてはまるときは様子を見ず、救急要請または救急外来へ
- 突然の片側の手足の脱力・しびれ(顔・腕・足のいずれか)
- 突然のろれつ困難・言葉が出ない・言葉が理解できない
- 突然の顔のゆがみ・口角が下がる
- 突然の片目が見えない・物が二重に見える・激しいめまいでまっすぐ歩けない
- これらの症状がいったん消えても(TIA の可能性)、消えたあとすぐに受診を
あなたの症状の緊急度をご確認ください
緊急
すぐに119番
- 突然の片側の脱力・ろれつ困難・顔のゆがみ(FAST)
- 突然の片目の見えにくさ・激しいめまいで歩けない
- 症状がいったん消えても(TIA の可能性)
119に電話する
注意
早めに受診・相談
- 以前に脳梗塞・TIA を起こしたことがある
- 心房細動・高血圧・糖尿病などの指摘がある
- 再発予防の薬や生活管理を相談したい
0942-42-1155 に電話
相談
予約受診・予防相談
- 脳梗塞のリスクが気になる
- MRI など予防的なチェックを受けたい
- 退院後のフォローやお薬の相談
WEB予約・アクセス
よくある質問
脳梗塞は治りますか?
A. 早く治療できれば後遺症を減らせます。後遺症が残っても、リハビリと再発予防で生活を取り戻していけます。
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最優先① 早い治療ほど後遺症が少ない
発症から早く治療できれば、傷つく脳を最小限にとどめられます。だからこそ、症状に気づいたらすぐ 119が大切です1。
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② 後遺症が残ってもリハビリで回復をめざせる
手足の動きや言葉などに影響が残っても、早期からのリハビリで回復をめざせます。経過には個人差があります。
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③ 再発予防が「次」を防ぐ
一度起こした方は再発しやすいため、病型に合わせた再発予防がとても大切です。これも「治療」の一部と考えてください。
症状がすぐ消えました。受診しなくても大丈夫ですか?
A. いいえ。症状が消えても「TIA(前触れ)」の可能性があり、すぐに受診してください。
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① 消えても「前触れ」かもしれません
FAST のような症状が数分〜数十分で消えるのは TIA(一過性脳虚血発作)かもしれません。これは本物の脳梗塞の前触れです1。
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② 消えたあとが勝負です
TIA のあとは、近い時期に脳梗塞が起こることがあります。消えたから大丈夫ではなく、消えたあとこそすぐ受診してください。
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③ 早く対応すれば防げることも
早く受診して原因を調べ、予防を始めれば、後から起こる脳梗塞を防げる可能性があります。
家族が脳梗塞です。何に気をつければよいですか?
A. 「FAST」を覚え、発症時刻を控えてすぐ119を。退院後は再発予防と生活管理を一緒に支えてください。
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① FAST と発症時刻を覚えておく
顔・腕・言葉の異常に気づいたら、「いつから普段通りだったか」をメモして 119。これが治療の時間を判断する大切な情報になります。
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② 薬と通院を一緒に支える
再発予防の薬を自己判断でやめないよう見守り、通院を一緒に続けることが再発予防につながります。
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③ 生活管理を家族で取り組む
減塩・禁煙・適度な運動など、生活習慣の見直しはご家族で取り組むと続けやすくなります。
再発予防の薬は、ずっと飲み続けるのですか?
A. 多くの場合は長く続けます。自己判断での中断は再発の引き金になるため、必ず主治医に相談してください。
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① 多くは長く続ける薬です
抗凝固薬・抗血小板薬などの再発予防薬は、原因が続くかぎり長く飲み続けることが多い薬です1。
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② 自己判断でやめない
調子がよくても自己判断で中断しないでください。中断は再発の引き金になります。
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③ 気になることは主治医に相談
出血しやすい・他の薬との飲み合わせが心配など、気になることは遠慮なくご相談ください。一緒に調整します。
脳梗塞の予防のために、できることはありますか?
A. 高血圧・糖尿病・脂質異常・心房細動の管理と、禁煙・適正体重・運動が柱です。多くは管理できるリスクです。
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① 生活習慣病を管理する
血圧・血糖・コレステロールの管理は、脳梗塞予防の土台です。健診で指摘された方は、早めに相談を1。
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② 禁煙・適正体重・運動
禁煙、適正体重の維持、適度な運動、お酒を控えめにすることも大切です。
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③ 心房細動を見つける
気づかないうちに心房細動がある方もいます。動悸や脈の乱れが気になるときは、心電図で調べておくとよいでしょう。