パーキンソン病(PD:Parkinson disease)ふるえ・動きの鈍さ・バランスの崩れ — 早期診断と治療調整で生活の質を守る

パーキンソン病のページ冒頭イラスト。「パーキンソン病は、付き合っていける」「早めの診断と、薬+運動で生活を守る。」の見出しとともに、年配の方がご家族に見守られながらしっかりした姿勢で歩く中心の場面と、医師に相談する・薬とカレンダーで整える・運動やリハビリをする3つの場面を描き、早めの相談・お薬・運動リハビリで生活の質を守ることを示している。
⚠ 高熱・著しい筋肉のこわばり・意識低下のある方はこちら

こんな症状はありませんか?

パーキンソン病には運動症状(ふるえ・動きの鈍さ)と非運動症状(便秘・頻尿・睡眠中の異常行動・うつ・幻覚など)の両方があり、非運動症状は運動症状の数年〜10 年前から出ることもあります。複数当てはまる場合は「年齢のせい」と決めつけず一度ご相談ください。

症状の見分け方運動症状の 4 つの主な症状と非運動症状

パーキンソン病の運動症状には4 つの主な特徴があり、多くは片側から始まり反対側へ広がります。動作の遅さに加え、ふるえや筋肉のこわばりを認めます3

パーキンソン病の運動症状を4区画で見分けるイラスト。左上は安静時のふるえ(手元のクローズアップ)、右上は筋肉のこわばり、左下は動きの鈍さ(着替え)、右下はバランスの崩れ。

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主な症状 01 / 振戦 気づきやすい

ふるえ — 安静時に出る

動かそうとすると一度止まり、姿勢を保つと再びふるえるのが特徴です。

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パーキンソン病で最も気づかれやすい症状です。ふるえだけがある場合は本態性振戦との鑑別が大切で、頭のふるえや動作中のふるえが主体なら本態性振戦の可能性が高くなります。

  • 左右非対称(片側から始まる)
  • ふるえの速さは 1 秒に 4〜6 回ほど
  • ストレス・緊張で強くなる
主な症状 02 / 固縮 高頻度

筋肉のこわばり — 関節が動かしにくい

他の人に手足を動かしてもらうと歯車のようにカクカクと一定の抵抗を感じます。

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実はふるえより頻度が高いです。ご自身では「肩こりがひどくなった」「腕や首が動きにくい」「寝返りが打ちにくい」として気づかれることがあります。

  • 歯車様(カクカク)— パーキンソン病に特徴的
  • 鉛管様(粘り強い抵抗)— 脳血管性パーキンソニズムに多い
  • 診察で反対の手を動かしてもらうと、軽いこわばりも見つけやすくなる
主な症状 03 / 無動・寡動 必須所見

動きが鈍くなる — 診断の要

動作の開始に時間がかかり、速さや幅が小さくなる症状で、診断の上で最も重要な所見です3

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家族から見ると、ぼーっとしているように見えたり、歩くのが遅くなったりするのが気づかれやすいサインです。ご本人は、着替えに時間がかかる・ボタンがはめにくい・字が小さくなるなど、生活の中での変化として実感されます。

  • 仮面様顔貌(表情が乏しくなる)
  • 小字症(書く字がだんだん小さくなる)
  • 歩行の歩幅が小さい・腕の振りが減る
  • 声が小さい・抑揚が乏しい
主な症状 04 / 姿勢反射障害 後期

バランスが崩れやすくなる

進行に伴って現れる症状で、椅子からの立ち上がりや方向転換でふらつきが目立ちます。初期から強い場合は別の病気の可能性もあり、専門医での再評価が大切です。

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病気の初期から目立つ場合は、パーキンソン病以外のパーキンソン症候群(進行性核上性麻痺など)の可能性を考えます。発症 1〜2 年以内に頻回に転倒する場合は、専門医での再評価が大切です。すくみ足(最初の一歩が出ない)も後期に出やすい症状です。

  • 方向転換時にバランスを崩す
  • 立ち上がった直後にふらつく
  • 椅子にドスンと座る

受診から診断までの流れ問診・診察・MRI・必要時の専門検査

パーキンソン病は診察での所見を中心に診断します。MRI や血液検査で他の病気を除外し、必要に応じて専門的な画像検査を組み合わせます3

受診から診断までの4つの場面を左から右に並べたイラスト。問診、歩き方の診察、頭部MRI検査、結果説明とお薬の開始の順に、同じご本人と医師が進んでいく。
  1. 問診 次の項目を詳しくうかがいます:
    • 発症のしかた・進行スピード(片側からゆっくり / 急速進行)
    • 日常生活への影響:着替え・書く字の大きさ・歩き方・転倒の有無
    • 非運動症状:便秘・嗅覚低下・睡眠中の異常行動・気分の落ち込み
    • 服用中の薬:抗精神病薬・胃腸薬・降圧薬の一部
    • 家族歴(パーキンソン病・本態性振戦)
  2. 神経学的診察院内で実施 動作の遅さ、筋肉のこわばり、ふるえ、バランス感、歩き方を評価します。
  3. 血液検査・頭部 MRI院内で実施 血液検査と頭部 MRI で、その他の原因を調べます。
  4. 必要に応じた専門画像検査専門病院で実施 必要時に、黒質の機能をみる脳の画像検査心臓の交感神経をみる検査を専門施設に依頼します。
  5. 診断とお薬の開始日常生活に影響が出てから 症状が日常生活に影響を与え始めた段階で薬物療法を開始します1。早すぎる開始は将来の合併症リスクが、遅すぎる開始は生活の質の低下が問題になるため、始める時期を一緒に決めることが大切です。
  6. 経過観察と専門医連携 薬の効き方・副作用・進行スピードを定期的に確認します。難病指定の手続き(指定難病 6)の他、必要に応じて脳深部刺激療法の対応施設・リハビリ施設と連携します。

重症度をどう測るかHoehn & Yahr ステージ — 進行段階と対応の目安

パーキンソン病はHoehn & Yahr ステージで進行度合いを5 段階で表します5。症状の段階にあわせて、薬の調整・リハビリ・福祉サービスの方針を決めていきます。

ステージ日常での状態の目安
外来でフォローステージ I〜II:日常生活はおおむね自立
I片側のみの症状、日常生活に支障なし
II両側に症状はあるが、姿勢のバランスは保たれる。仕事や家事は続けられる
治療強化・リハビリステージ III〜IV:転倒リスク・介助が必要に
IIIバランスが崩れやすくなり、転びやすい。独歩は可能で日常生活に一部介助が必要
IV立つ・歩くのに介助が必要。独立した生活は難しいが、自力で立位・歩行は可能
集中ケアステージ V:全面的な介助が必要
V介助なしには寝たきりまたは車椅子。全面的な介護が必要

治療の組み立て薬物療法・専門治療・リハビリの組み合わせ

パーキンソン病の治療は不足したドパミンを補う薬を中心に、症状の出方・年齢・副作用を考えて患者さんごとに調整します。進行期には専門治療も選択肢になります17

パーキンソン病の治療を表すイラスト。自宅で、曜日ごとに仕切られたお薬ケースで服薬を整えながら、椅子に座って脚を伸ばす運動・リハビリも続ける、薬と運動の両輪の暮らし。

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① レボドパ

ドパミンを補う最も効く薬

不足したドパミンを脳に補う形で、4 つの主な症状(ふるえ・固縮・無動・姿勢反射障害)に最も確実な改善をもたらします。

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症状が日常生活に影響する段階で開始することが推奨されます17。少量から始めて、効果と副作用を見ながら増量します。

  • 製品例:メネシット®・ネオドパストン®・マドパー® など
  • 食事のたんぱく質・牛乳・酸化マグネシウム(便秘薬の一種)と一緒に飲むと効きが落ちることあり
  • 飲み忘れたまま自己判断で中止しない(悪性症候群のリスク)
② ドパミンアゴニスト

ドパミン受容体を直接刺激する薬

レボドパに比べて長く効き、ジスキネジアが起こりにくい性質があり、若年発症の方や進行期の併用薬として活躍します。

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レボドパと併用することで、運動症状を安定させます。突発的な眠気(運転中の事故リスク)や衝動制御障害(買い物・ギャンブル・食事などへの抑えがきかなくなる)といった特有の副作用に注意が必要です。

  • 飲み薬:プラミペキソール(ミラペックス®)/ロピニロール(レキップ®)
  • 貼り薬:ロチゴチン(ニュープロパッチ®)— 進行期で使いやすい
  • 運転は原則禁止(突発性睡眠のリスク)
③ MAO-B 阻害薬

ドパミンの分解を抑える薬

レボドパと組み合わせてwearing-off(薬の効きが切れる現象)を改善でき、軽症期では単剤でも使えます。

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他の医療機関を受診するときは注意が必要です。一緒に飲めない薬の組み合わせがあるため、「パーキンソン病の薬を飲んでいる」と必ず伝えてください。

  • ラサギリン(アジレクト®)/サフィナミド(エクフィナ®)
  • 抗うつ薬の一部(SSRI・SNRI など)・トラマドールと併用禁忌
  • 非運動症状(うつ・睡眠障害)の改善も期待できる
④ 進行期の追加薬

薬の効きの波を整える補助薬

レボドパの効きが切れたり、勝手な体の動きが出るときに、効果時間を延ばす薬や対応薬を組み合わせて症状の波を抑えます。

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病気が長くなり、レボドパが 1 日に 4〜5 回必要になってくる進行期に、下記の補助薬を追加して調整していきます。

  • COMT 阻害薬(オピカポン・エンタカポン)— レボドパの効果を延ばす
  • イストラデフェリン(ノウリアスト®)— ドパミン以外の神経回路に働きかけて wearing-off を改善する
  • ゾニサミド(トレリーフ®)— 振戦・wearing-off に効果あり
  • アマンタジン — ジスキネジアの軽減
⑤ 脳深部刺激療法

脳に細い電極を入れて電気刺激で症状を整える手術

電気刺激で症状の波を物理的に整える、薬物だけでは限界がある方への選択肢。当院から専門施設へ橋渡しできます。

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脳の深部に細い電極を入れ、ペースメーカーのような装置から電気刺激を送って症状を改善する治療です。レボドパが 1 日 5 回以上必要になる・オフ時間が 2 時間以上ある・ジスキネジアが 1 時間以上あるといった目安(5-2-1 rule)1を満たし、認知機能が保たれた 70 歳以下の方が主な対象です。

⑥ リハビリ・運動療法

薬と並ぶもうひとつの柱

有酸素運動・ストレッチ・筋力トレーニングで進行を緩やかにできることが研究で明らかになってきた、薬物療法と並ぶ重要な柱。

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当院では運動療法のすすめ方をお伝えし、必要に応じて訪問リハビリ・通所リハビリ・専門病院のリハビリと連携します。

  • すくみ足対策:音刺激(メトロノーム)・床のラインを意識する
  • 声の小ささ:LSVT LOUD(声を大きく出す訓練)
  • 姿勢の前かがみ:体幹のストレッチ・伸ばす運動
  • 転倒予防:バランス運動(太極拳・ヨガなど、ガイドラインで推奨されている運動)

当院の役割早期発見・経過観察・難病申請・専門施設への橋渡し

パーキンソン病は指定難病 6として医療費助成の対象です。最初の気づき・地域での経過観察・難病申請・全身管理が当院の役割です。

  1. 初期評価と早期紹介 3 段階で対応します:
    • 問診と神経学的診察:パーキンソン病とパーキンソン症候群(進行性核上性麻痺・大脳皮質基底核変性症・多系統萎縮症)の鑑別を進めます
    • 院内検査:頭部 MRI・血液検査で他疾患を除外します
    • 専門施設への紹介:黒質の機能や心臓の交感神経をみる精密検査、確定診断、高度治療が必要な場合は、専門施設に速やかにおつなぎします
  2. 経過観察と地域での主治医機能 専門施設での治療方針が決まったあとは、地域での通院・レボドパ・ドパミンアゴニストなどの服薬調整・症状の変化のフォローを担います。on-off 現象・wearing-off・ジスキネジアなどの薬剤性合併症も観察し、必要時は専門施設と連携します。
  3. 難病申請の臨床調査個人票(指定難病 6) 医療費助成申請に必要な臨床調査個人票(診断書)の記載を行います。Hoehn & Yahr ステージ III 以上が重症度認定の目安となり、適切な助成区分につなげます。
  4. 全身管理と合併症予防 進行期に出やすい以下の合併症を一元的に管理します:
    • 誤嚥性肺炎予防:嚥下障害がある方
    • 転倒・骨折予防:バランスが崩れやすい方(姿勢反射障害)
    • 非運動症状:認知症・幻視・抑うつ
    • 自律神経症状:便秘・排尿障害
  5. 家族・介護者支援 進行性の経過をたどる疾患では、ご家族の不安や介護負担も大きくなります。介護保険・身体障害者手帳・在宅医療資源の利用についても、ケアマネジャー・訪問看護・難病相談支援センターと連携して支援します。

似た症状を起こす別の病気パーキンソン症候群と、ふるえの鑑別

パーキンソン病とよく似た症状を起こす病気をまとめてパーキンソン症候群と呼びます。レボドパの効き方や他の神経症状の組み合わせで見分けます。

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進行性核上性麻痺

早期からの後方転倒と眼の動きの障害

レボドパが効きにくく、早期診断と専門施設での評価が大切な病気8。指定難病 5 として医療費助成が受けられます。

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パーキンソン病とは違い、発症 1〜2 年以内に頻回に転倒し、後方に倒れることが多いのが特徴です。眼が下を向きにくくなる「核上性注視麻痺」も診断の手がかりで、神経内科の専門医による診察が大切です。

  • 発症早期からの後方転倒・姿勢反射障害
  • 左右対称・体軸(首・胴体)優位の筋強剛、項部後屈位
  • 下方視ができにくい・瞬きが少ない(核上性注視麻痺)
  • 嚥下障害・構音障害が比較的早く出る
  • 頭部 MRI で中脳の萎縮(ハチドリのくちばし様)
大脳皮質基底核変性症

左右差の強い動きと大脳皮質症状が重なる

動きの障害とは別に手の使い方が分からなくなるなど、生活への影響が大きい疾患。指定難病 7 として医療費助成が受けられます。

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「片側だけ手の動きがぎこちない」「自分の手なのに思った動作ができない(肢節運動失行)」「自分の手が勝手に動くように感じる(他人の手徴候)」といった大脳皮質症状を伴います。レボドパ(内服薬)の効果は限られるため、症状ごとの対応とリハビリ・生活の工夫を中心に進めていきます。

  • 左右非対称が強い無動・筋強剛・ジストニア・ミオクローヌス
  • 肢節運動失行・他人の手徴候・皮質性感覚障害(大脳皮質症状)
  • 頭部 MRI で一側優位の大脳萎縮(前頭・頭頂葉)
  • 治療:抗コリン薬・ボツリヌス療法・クロナゼパムなど症状ごとに選択
多系統萎縮症

自律神経の症状とふらつき・パーキンソン症状が重なる

進行はパーキンソン病より速く、早期診断と専門施設での詳細評価が必要9。指定難病 17 として医療費助成が受けられます。

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起立時の強い立ちくらみ、排尿のトラブル、ふらふら歩き(小脳失調)、いびきや吸気時の喘鳴などが組み合わさるとき、多系統萎縮症を考えます。レボドパ(内服薬)の効きは限られ、進行はパーキンソン病より速いのが特徴です。

  • 起立後すぐの強い立ちくらみ・失神
  • 頻尿・尿失禁・排尿障害
  • ふらつき(小脳失調)が主体のタイプと、動きの遅さや体幹のこわばりが主体のタイプ
  • 夜間の大きないびき・吸気時喘鳴
  • 頭部 MRI で橋・中小脳脚の萎縮
薬剤性パーキンソニズム

原因薬剤の中止で治る可能性

ドパミンの働きを抑える薬で発症します。お薬手帳の確認で原因を絞り込み、内服中止により多くは週〜月単位で改善します。

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処方薬の中には、ドパミンの働きを抑えてしまうものが意外に多く、内服から数週間〜数か月でパーキンソン症状を起こすことがあります。原因薬を見つけて中止することで、週〜月単位で改善する場合が多いです。お薬手帳を必ず持参してください。

  • 抗精神病薬・スルピリド(ドグマチール®)
  • 胃腸薬:メトクロプラミド(プリンペラン®)
  • 降圧薬の一部:アムロジピン
  • 抗てんかん薬:バルプロ酸
脳血管性パーキンソニズム

下肢中心の症状と段階的進行

治療の柱は脳梗塞の予防(血圧・血糖・コレステロール管理)で、当院の脳卒中外来で長期管理できます。

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高齢者で、上肢は比較的問題ないのに歩行や下肢の動きが大きく障害される場合に考えます。MRI で多発する小さな脳梗塞や白質病変を確認します。脳卒中の予防(血圧・血糖・コレステロール管理)が治療の柱になり、L-dopa の効きは限定的です。

  • 下肢中心の歩行障害(手のふるえは目立たない)
  • 段階的進行・脳梗塞のエピソード
  • MRI で多発ラクナ・深部白質病変
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レビー小体型認知症

幻視と認知機能の波

認知症の中で 3 番目に多く、早期にもの忘れ外来へつなぐことで適切な薬剤選択ができます。当院で運動症状と認知症の両面から診ていきます。

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認知症がパーキンソン症状の前または 1 年以内に出てきたときに、レビー小体型認知症を考えます。当院ではもの忘れ外来で評価・治療を行い、認知症と運動症状の両面から診ていきます。

  • 細かく色のついた繰り返す幻視(実体験のように感じる)
  • 注意・遂行機能の日内変動(はっきりしている時間と、ぼんやりする時間が交互にくる)
  • REM 睡眠行動異常(RBD):夢の内容に合わせて大声を出したり手足を動かす。パーキンソン病やレビー小体型認知症の早期マーカー
  • 抗精神病薬への過敏性(慎重投与が必要)
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本態性振戦

動作中・姿勢時のふるえ

パーキンソン病との最大の違いは「じっとしているときはふるえない」こと。β 遮断薬などで改善することが多く、当院で治療できます。

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パーキンソン病より頻度が高く、ご家族にも同じふるえがある方が多い病気です。両手・頭・声のふるえとして出ることが多く、安静時にはふるえないのがパーキンソン病との違いです。少量のアルコールで一時的にふるえが軽くなる方もいます。

  • 左右対称・両手のふるえ
  • 家族歴があることが多い
  • 治療:β 遮断薬、難治例で MR ガイド下集束超音波
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その他の振戦

甲状腺・アルコール・心因性などのふるえ

第一歩は血液検査で背景の病気を見つけ出すこと。原因が分かれば治療や生活見直しで改善が期待できます。

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当院では血液検査・神経学的診察で背景を絞り込みます。

  • 甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)— 血液検査で確認、専門治療で改善
  • アルコール性振戦・離脱症状によるふるえ
  • カフェイン・特定の薬(喘息薬・気分安定薬など)による振戦
  • 心因性(機能性)振戦 — ストレスや不安を背景に出るふるえ

救急対応が必要なサイン様子見せず救急要請を

以下にあてはまるときは様子を見ず、救急要請または救急外来へ

あなたの症状の緊急度をご確認ください

緊急

すぐに119番

  • 高熱・著しい筋肉のこわばり・意識低下
  • 食事中のむせ込みからの呼吸困難
  • 転倒して頭をぶつけた・嘔吐・意識低下
119に電話する
注意

数日以内に受診

  • 急に動きが悪化した・転倒が増えた
  • 立ちくらみで失神しそうになる
  • 幻覚・妄想が出てきた
0942-42-1155 に電話
相談

予約受診・経過相談

  • ふるえや動きの鈍さが気になる
  • 診断後の薬の調整・経過観察
  • 難病指定の手続きの相談
WEB予約・アクセス

よくある質問

パーキンソン病は治る病気ですか?/進行を止められますか?
A. 病気そのものを完治させる治療はまだありませんが、症状をコントロールして長く生活の質を保つことができます。
  1. 最優先① 適切な治療で日常生活は長く保てる 薬物療法と運動療法を組み合わせることで、10 年以上にわたって日常生活を続けられる方が多くいらっしゃいます。早期発見・早期治療が鍵です1
  2. ② 進行を緩やかにする工夫はある 適度な運動を続けることが、症状の進行を緩やかにすることが分かっています。一方で、進行そのものを完全に止める薬は現時点ではありません。
  3. ③ 進行スピードには個人差が大きい 同じパーキンソン病でも進行のスピードには個人差があります。発症が若い方ほどゆっくり進む傾向があり、定期的な経過観察でその方の進み方に合わせた治療調整を行います。
薬はいつから始めるのがよいですか?
A. 症状が日常生活に影響を与え始めたら、開始をご相談する時期です。
  1. ① 始める時期は早すぎず・遅すぎず 日本のガイドライン(2018 年版)と米国神経学会(2021 年)のいずれも、症状が日常生活に影響する段階での開始を推奨しています17
  2. ② 高齢の方では L-dopa から 高齢の方や認知機能の心配がある方では、効果が確実で副作用が少ないL-dopaから始めることが多いです。少量から少しずつ増やします。
  3. ③ 若い方では運動合併症を見据えた選択 若い方では、将来の運動合併症(wearing-off やジスキネジア)を考えて、L-dopa と他の薬の組み合わせで始めることがあります。生活スタイル(仕事・運転)も考慮します。
ふるえだけがあります。本当にパーキンソン病ですか?
A. ふるえだけならパーキンソン病以外の可能性も高く、見分けが大切です。
  1. ① 安静時ふるえか・動作中ふるえかを確認 パーキンソン病のふるえは安静時に出るのが特徴で、動かそうとすると一度止まります。動作中や姿勢を保つときに出るふるえなら、本態性振戦の可能性が高くなります。
  2. ② 動きの遅さやこわばりがあるかを確認 ふるえに加えて動作の遅さ筋肉のこわばりがあることがパーキンソン病の診断には大切です3。ふるえだけ・両手対称・家族歴ありなら、本態性振戦をまず考えます。
  3. ③ 迷うときは画像検査で見分け 診察で迷う場合は、DAT スキャン(黒質の機能をみる脳の画像検査)で見分けます。本態性振戦なら正常、パーキンソン病なら集積が低下します。
車の運転は続けられますか?
A. 必ず主治医にご相談ください。使っている薬と病気の段階で、続けてよいかが変わります。
  1. 最優先① まずは主治医に相談 運転を続けてよいかは、お薬の種類・用量・病気の段階・ご本人の認知機能や反応速度などを総合して判断します。必ず主治医・かかりつけ医に相談してください。診察の中で、お薬の調整や運転を見合わせる時期の目安についてもお話しします。
  2. ② ドパミンアゴニストには「突発性睡眠」のリスク ドパミンアゴニスト(プラミペキソール・ロピニロール・ロチゴチンなど)は、前ぶれなく急に眠ってしまう「突発性睡眠」を起こすことが知られており、運転中だと重大な事故につながります。これらの薬を内服中の方は、添付文書上も運転は原則禁止です。やむを得ない場合は必ず主治医と相談のうえ、別の薬への変更も含めて検討します。
  3. ③ ご家族が「危ない」と感じたら早めの見直しを 薬の影響だけでなく、病気の進行による判断力・反応速度の低下も運転に影響します。ご自身やご家族が「最近運転が危ない」と感じたら、早めに見直しを。地域包括支援センターや警察署では、自主返納で公共交通の割引などのサポートが受けられる地域もあります。
家族にも同じ病気が出ますか?(遺伝するか)
A. ほとんどは遺伝せず偶発性ですが、若年発症や家族に複数いる場合は遺伝性の可能性もあります。
  1. ① 約 9 割は遺伝しない(孤発性) パーキンソン病の大多数は孤発性で、ご家族に同じ病気が出る可能性は一般集団とほぼ変わりません。「親が患者だから自分も必ずなる」ということはありません。
  2. ② 若年発症(40 歳未満)では遺伝性の可能性 40 歳未満で発症する若年性パーキンソン病の中には、遺伝子の変化が関係する場合があります(PARK2 / LRRK2 等)。日本の若年性パーキンソン病では家族歴があることが比較的多いです。
  3. ③ 家族性が疑われるときは遺伝相談を ご家族に複数の患者さんがいる場合や若年発症の場合は、遺伝カウンセリングを行っている専門医療機関でご相談いただくことができます。
薬の効きが切れる時間が出てきました。どう対応しますか?
A. wearing-off(薬の効きが切れる現象)には、お薬の調整で対応します。
  1. ① まずは症状日記をつけてみる 「いつ薬を飲んだ・いつ動きやすかった・いつ動きにくくなった」を 1〜2 週間記録していただくと、薬の調整が大きく進みます。スマホのメモやお薬手帳の余白で大丈夫です。
  2. ② レボドパの飲み方を調整 1 回量を少なくして飲む回数を増やす、空腹時に飲む、たんぱく質と離して飲む、などで効きを安定させます。
  3. ③ 補助薬の追加で効きを延ばす COMT 阻害薬(オピカポンなど)や MAO-B 阻害薬を加えることで、レボドパの効きを延ばします1。それでも対応しきれないときは、進行期の専門治療(脳深部刺激療法など)も選択肢に入ります。

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つつみ脳神経外科クリニック
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