群発頭痛(ぐんぱつずつう)最強クラスの痛みに、治療の選択肢がある頭痛

目の奥の激しい痛みに襲われる群発頭痛のイメージイラスト。片方の目の奥を押さえる男性と、毎日ほぼ同じ時間に発作が起こることを表す時計のモチーフ。
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こんな症状はありませんか?

複数当てはまる方は群発頭痛の可能性があります。市販薬が効きにくい頭痛ですが、タイプに合った治療で発作を抑えられる可能性があります。

群発頭痛とは片目の奥に起こる、発作性の激しい頭痛

群発頭痛は、片方の目の奥やこめかみに激痛の発作が繰り返し起こる病気です2

発作が数週間〜数か月の「群発期」に集中して毎日のように起こり、その後しばらく治まる — この波を繰り返すのが名前の由来です。

なお、群発頭痛そのものは命に関わる病気ではありません。ただし、よく似た症状を出す別の病気が隠れていないかを、最初に確かめることが大切です。

症状の特徴片目の奥の激痛+同じ側の自律神経症状

痛みは目の奥(眼窩部)・目の上・こめかみに集中し、強さは「重度〜きわめて重度」2。じっと座っていられないほどの痛みです。

加えて、痛みと同じ側の顔に「自律神経症状」— 涙や鼻水など、自分の意思とは関係なく体が反応してしまう症状 — が現れるのが最大の特徴です。

痛みと同じ側に、こんなサインは出ていませんか?

「じっとしていられない」も大事なヒントです。片頭痛では動くと痛みが悪化するため暗い部屋で安静にしたくなりますが、群発頭痛では発作中に落ち着きなく動き回る方が多い — 行動が正反対になります。

見分けのポイント 片頭痛ズキズキ・吐き気 緊張型頭痛締めつけ・肩こり 群発頭痛このページ
痛む場所 片側中心(両側もある) 両側・頭全体 片方の目の奥・こめかみ
痛みの強さ・質 中〜重度。ズキズキ脈打つ 軽〜中等度。締めつけられる きわめて重度。えぐられるよう
1回の長さ 4〜72時間 30分〜7日 15分〜3時間
発作中の行動 動くと悪化。暗い部屋で安静にしたい 動いても悪化しにくい じっとしていられず動き回る
伴いやすい症状 吐き気、光・音に過敏 首・肩のこり 同じ側の充血・涙・鼻水
起こりやすい時間 きっかけ次第(寝不足・天候など) 夕方・疲れがたまる頃 毎日ほぼ同じ時刻・夜間や明け方

それぞれの頭痛について詳しくは、片頭痛のページ緊張型頭痛のページをご覧ください。

引き金と過ごし方群発期のお酒は数十分以内に発作を招く

群発期(発作が続いている時期)には、ふだんなら問題にならないものが強力な引き金になります。とくに群発期のアルコールは厳禁です。

アルコール

群発期に飲むと数十分以内に発作が誘発されます1。群発期の間は、量にかかわらず控えてください。

血管を広げる薬・物質

ニトログリセリン(狭心症などで使う硝酸薬)をはじめとする血管を広げるお薬も引き金になります1

夜間・睡眠中

発作は夜間や睡眠中、とくに明け方の同じ時刻に起こりやすく、痛みで目が覚めるのが典型です1

群発期の過ごし方のポイント

受診から診断までの流れ問診から MRI、診断結果まで

「目の奥の激痛」は群発頭痛以外の病気でも起こるため、よく似た別の病気を除外しながらタイプを見極めます。

  1. 問診 発作が起こる時刻・1回の長さ・1日の回数、目の充血や鼻水などの随伴症状、これまでの「痛い時期」の周期をうかがいます。頭痛ダイアリーがあると大きな助けになります。
  2. MRI検査(必要な方のみ・診察で判断します)約10〜15分 / 痛みなし 目の奥の痛みは、副鼻腔炎〈ふくびくうえん=鼻の奥の炎症〉・緑内障発作・下垂体の病気などでも起こります。よく似た別の病気を除外するために行います。
  3. 診断当日ご説明 発作の長さ・回数・随伴症状を国際基準(ICHD-3)と照らし合わせ、群発頭痛か、よく似た仲間の頭痛かを見極めます。
  4. 治療方針継続フォロー 発作時の対処と、群発期の発作を抑え込む予防治療を組み合わせ、お酒など生活上の注意も一緒に確認します。

発作時の治療の選択肢通常の痛み止めが効きにくい頭痛

群発頭痛の治療は、「発作が起きたときにしのぐ」発作時治療と、「群発期の発作そのものを抑え込む」予防治療の2方向で考えます。

群発頭痛の発作は短時間で痛みのピークに達するため、効き始めの速い治療が選ばれます。市販の痛み止めや通常の飲み薬(NSAIDs〈エヌセイズ=一般的な痛み止め〉など)は、効いてくる前に発作が終わってしまうことが多く、効果が乏しいとされています1

スマトリプタン皮下注射

① 速効性のある注射薬

皮下に注射するトリプタン(頭痛発作の専用治療薬)。ガイドラインで群発頭痛の発作時治療として推奨されています1

  • 飲み薬より効き始めが速い
  • 心臓や血管の病気がある方は使えないことがあります
高流量酸素吸入

② 酸素を吸う治療

フェイスマスクで高濃度の酸素を吸入する治療法。薬を使わないため、1日に何度も起こる発作にも対応しやすい方法です1

  • フェイスマスクで毎分7Lを15分程度1
  • 薬との併用も可能
  • 実施には酸素の設備・処方の体制が必要です

当院でできること

予防治療群発期の発作を「抑え込む」考え方

群発頭痛の治療の柱は、発作が起きるたびにしのぐことだけではありません。群発期の間、予防薬で発作そのものを起こりにくくすることが大切です。群発期が終われば、薬を減らして中止するのが基本的な流れです1

ベラパミル(カルシウム拮抗薬〈きっこうやく〉)

① ガイドラインで推奨される予防薬

もともと心臓や血圧の治療に使われてきた薬で、頭痛の診療ガイドラインで群発頭痛の予防薬として推奨されています1。使うかどうかは診察のうえで判断します。

  • 少量から開始し、効果と体調をみながら医師が量を調整します
  • 脈が遅くなることがあり、心電図を確認しながら使います
群発期を乗り切る計画 治療の考え方

② 予防薬で「痛い時期」を短く軽く

群発期の始まりに予防薬を開始し、発作を抑え込みながら群発期の終わりを待つ — これが群発頭痛と付き合う基本戦略です。

  • 頭痛ダイアリーで発作の減り方を確認
  • 群発期が終われば薬は減量・中止が基本
  • 次の群発期が始まったら早めに再開・受診

よく似た仲間の頭痛(TACs)発作の長さと回数でタイプが分かれる

「片側の激痛+同じ側の充血や涙」を起こす頭痛には、群発頭痛のほかにもいくつかの仲間があり、まとめてTACs〈タックス=三叉神経・自律神経性頭痛〉と呼ばれます2

発作の長さと回数でタイプが分かれ、タイプによって効く薬がまったく異なります。自己判断は難しく、ここの見極めこそ専門的な診察の価値があるところです。

発作性片側頭痛

1回2〜30分・1日5回以上

群発頭痛より短い発作が、1日に何度も起こるタイプです2

  • インドメタシン(特定の消炎鎮痛薬)が著効
  • 効けば診断の決め手になる
SUNCT/SUNA

数秒〜10分の短い発作が頻発

刺すような短い痛み(1回1〜600秒)が、1日に何十回も繰り返されるタイプです2

  • 同じ側の充血や涙などを伴う
  • 治療薬が群発頭痛とは異なる
持続性片側頭痛

3か月以上続く片側の頭痛

片側の頭痛が3か月を超えて途切れず続くタイプです2

  • インドメタシンが著効
  • 「ずっと続く片側の頭痛」は要相談

「発作の長さ」と「1日の回数」で治療がまるごと変わるのが、このグループの特徴です。頭痛ダイアリーの記録を持って受診いただくと、見極めが早く正確になります。

危険な頭痛のサインすぐに受診を

以下にあてはまるときはすぐに119番・救急要請を

「目の奥の痛み+まぶたが下がる・ものが二重に見える」という組み合わせは、脳動脈瘤〈のうどうみゃくりゅう〉が神経を圧迫しているサインのことがあります。群発頭痛と自己判断せず、早めに受診してください。これらの症状が急に現れた場合は、夜間・休日でも救急外来を受診してください。

あなたの頭痛の緊急度をご確認ください

緊急

すぐに119番

  • 突然の、経験したことのない激しい頭痛
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  • 目の奥の激痛発作が毎日同じ時間に起こる
  • 市販薬が効かない激しい頭痛を繰り返す
  • 「激痛の続く時期」が周期的にやってくる
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よくある質問

市販の痛み止めは効きますか?
群発頭痛の発作には、効果が乏しいことが多いです。
  • 発作が短時間でピークに達するため、飲み薬では間に合いにくい
  • 効かないからと量を増やすと薬剤の使いすぎによる頭痛のリスクも
  • 発作時治療には速効性のある選択肢があります — 診察でご相談ください
片頭痛とどう違いますか?
「痛みの場所・発作中の行動・発作のパターン」の 3 点が対照的です。
  1. ① 痛みの場所と質 群発頭痛片方の目の奥をえぐられるような激痛。片頭痛は片側中心のズキズキ脈打つ痛みで、吐き気を伴いやすいのが特徴です。
  2. ② 発作中の行動 群発頭痛じっとしていられず動き回る方が多く、片頭痛は動くと悪化するため暗い部屋で安静にしたくなります。正反対の行動です。
  3. ③ 発作のパターン 群発頭痛毎日ほぼ同じ時刻に発作が起こる時期(群発期)が数週間続きます。片頭痛は月に数回など、不定期に起こるのが一般的です。
放っておけば自然に治りますか?
群発期は数週間〜数か月で自然に治まることが多いですが、多くの場合、期間をおいて次の群発期がやってきます。
  • 「治った」のではなく「お休みの期間」であることが多い
  • 群発期のつらさは、治療で大きく減らせる可能性があります
  • 周期を記録しておくと、次の群発期に早く対処できます
  • なかには、お休みの期間(寛解期)がほとんどないまま発作が続く「慢性群発頭痛」の方もいらっしゃいます。その場合も治療の選択肢があります
群発期以外も薬を続けますか?
予防薬は群発期の間だけ使い、群発期が終われば減量・中止するのが基本です。
  • 発作が十分に抑えられているかを頭痛ダイアリーで確認しながら調整
  • 自己判断での急な中止・再開はせず、診察で相談を
  • 次の群発期の兆しを感じたら早めに受診してください
お酒はいつから飲めますか?
群発期の間は少量でも厳禁です。群発期が終われば、誘発されにくくなります。
  • 群発期に飲むと数十分以内に発作が誘発されます
  • 「群発期が終わったかどうか」は自己判断せず、診察でご相談を
  • 飲み会の席ではノンアルコール飲料への置き換えも一つの方法です
女性や若い人でもなりますか?
男性に多い頭痛ですが、女性やほかの年代の方にも起こります。
  • かつては男性の3〜7倍とされてきましたが、近年の調査では男女差はより小さいと報告されています
  • 「男性の病気」という思い込みから、女性では診断が遅れやすいという報告があります
  • 症状がそろえば、性別・年齢によらず同じ治療を検討します
治療に保険は使えますか?費用はどのくらいかかりますか?
診察・MRI検査・お薬の処方は、いずれも通常の保険診療で受けられます。
  • 特別な自費診療ではなく、健康保険証(マイナ保険証)でのふつうの受診です
  • お薬の費用の見通しは、処方の内容に合わせて診察時にご説明します
夜中に発作が起きたら、そのたびに救急外来へ行くべきですか?
群発頭痛と診断がついている場合、発作そのものは15分〜3時間で自然に治まります。
  • つらい発作を減らす主役は予防治療です。群発期に入ったら早めに受診してください
  • ご家族は発作の時刻・長さ・様子を記録しておくと、診断と治療にとても役立ちます
  • ただし、初めての激しい頭痛や、いつもと明らかに様子が違う頭痛のときは、ためらわず救急外来へ

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つつみ脳神経外科クリニック
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