脳動脈瘤(未破裂脳動脈瘤/のうどうみゃくりゅう)破裂する前に見つけて、経過観察か治療かを冷静に考える
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ABOUT未破裂脳動脈瘤と、破れる確率こぶの定義と、破れる確率の目安
脳の動脈の壁の一部が、こぶ(瘤=りゅう)のようにふくらんだ状態です。「未破裂」は、その瘤がまだ破れていないという意味です。
見つかっても、すぐ手術ではありません。
実際のMRA画像(3D)
血管の枝分かれの部分に、こぶ(動脈瘤)がふくらんでいます。MRAでは血管をこのように立体的に映し出せます
見つかる割合と破れる確率は?
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3%
成人で見つかる割合3
-
1%弱
1年に破れる割合(全体)2
-
0.3〜0.5%
3〜4mmの瘤が1年に破れる割合6
大きい瘤・特定の場所・いびつな形は、破れやすい傾向があります。
| 要素 |
破裂しやすい傾向 |
| 大きさ |
大きいほど高い(7〜9mm は小さい瘤の約 3 倍、10mm 以上はさらに高い傾向) |
| 場所 |
前交通動脈・後交通動脈などにできた瘤は高めの傾向(約 2 倍) |
| 形 |
表面がいびつ・小さな出っぱり(ブレブ、Bleb)があると高めの傾向(約 1.6 倍) |
部位・大きさ別の「1年あたりの破裂率」をくわしく見る(UCAS Japan)
| 瘤の場所\大きさ |
3〜4mm |
5〜6mm |
7〜9mm |
10〜24mm |
| 中大脳動脈 | 0.23% | 0.31% | 1.56% | 4.11% |
| 前交通動脈高め | 0.90% | 0.75% | 1.97% | 5.24% |
| 内頸-後交通動脈高め | 0.41% | 1.00% | 3.19% | 6.12% |
| 脳底動脈 | 0.23% | 0.46% | 0.97% | 6.94% |
| 全体の平均 | 0.36% | 0.50% | 1.69% | 4.37% |
数字は「1 年に破裂する割合(%)」です。
高め=同じ大きさでも破れやすい傾向の部位。25mm 以上の大きな瘤は、どの場所でも急に高くなります(全体で 1 年あたり約 33%)2。
脳を下から見た模式図。赤いこぶが動脈瘤の代表的な好発部位(表の4部位)。「高め」=同じ大きさでも破れやすい傾向の部位。
この数字は大勢の平均です。一人ひとりの判断は、画像を見た主治医とご相談のうえ決めます25。なお、日本人は破裂率がやや高めとする報告もあります3。
GUIDE経過観察か、治療か何で決まるか・治療の 2 系統
「小さいから様子を見ましょうと言われたけど、放っておいて大丈夫?」
破裂のリスクが低い瘤では、定期的な画像で見守る経過観察が標準的な選択です1。治療にも合併症のリスクがあるためです。
治療方針はどうやって決まる?
- 瘤の大きさ・場所・形
- 年齢・全身状態(持病)
- 家族歴やくも膜下出血の既往
- 高血圧・喫煙などの生活習慣
- ご本人の希望・納得
これらを総合して、主治医・専門医が判断します。「何mm以上なら治療」という単純な基準では決まりません。
治療の種類=2系統
絵の 3 つのうち、クリッピング術は①、コイル塞栓術とフローダイバーター留置術は②に入ります。このほか、こぶの中に網状の器具を置く WEB などの新しい血管内治療もあります7。
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① 開頭手術 (クリッピング術) |
② 血管内治療 (コイル塞栓術など) |
| やり方 |
頭の骨を開け、瘤の根元をクリップで挟む |
足のつけ根の血管からカテーテルを入れ、コイルを詰める、または網状の筒(ステント)を親血管に置いて血流を減らす |
| 特徴 |
古くから行われ、実績が長い。脳の表面に近い瘤で選ばれやすい1 |
頭を開けない。大きい瘤・入口の広い瘤にも方法がある |
| 負担 |
頭を開ける ぶん、 体への負担は 大きめ |
体への負担は比較的少ない |
どちらも入院して行います。どれが向くかは専門医が一人ひとり判断し、実際の治療は連携する専門病院で行います。
当院と専門病院の役割
- 当院相談・検査
- 専門病院治療
- 当院経過観察・その後の通院
FLOW当院での流れ検査から説明まで、受診当日に
受診当日
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MRI・MRA
脳の血管を撮影し、瘤の有無・大きさ・場所を確かめます。医師が必要と判断した場合、原則として当日に受けられます。放射線は使いません。
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結果の説明
当日、画像を見ながら結果をご説明し、経過観察か治療かを一緒に検討します。
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紹介状
治療が要るときは、連携する専門病院へ紹介状をお書きします。経過観察は、当院で続けられます。
FOLLOW経過観察と家族歴見守り方・検査を考える目安・自分でできること
経過観察を続ける方に
頭部MRI・MRAで見守る
変化がなければ、そのまま見守ります
- チェックすること
- 瘤の大きさ・形に変化がないかを、頭部MRI・MRAで確かめます
- 続け方
- 初回は見つかってから半年〜1年後、その後は1〜2年ごとが目安4。間隔は主治医が決めます
- 注意・相談
- 大きくなる・形が変わる・目の症状が出たときは、治療を改めて検討します1
他院で経過観察中の方も、当院で続けられます
家族歴が心配な方に
- 目安
- 親・兄弟姉妹・子に2人以上いる場合や、多発のう胞腎(腎臓に水ぶくろがたくさんできる体質)の方は、検査を考えます34
- 注意・相談
- 見つかったときは、経過観察か治療かを一緒に考えます
破裂を防ぐために、できること
- どうする
- 血圧が高い方は治療を続ける。吸う方は禁煙を
- 注意・相談
- 血圧の薬は、自己判断でやめないでください
WARNING SIGNS破れる前と、破れたときのサイン119番/当日中に受診/ご相談の 3 段階
瘤が大きくなって目を動かす神経を圧迫すると、破裂する前でも片方のまぶたが下がる・物が二重に見える・片方の瞳が大きくなることがあります4。急に出たときは、当日中に受診を。強い頭痛を伴うときは 119番へ。
FAQよくある質問
動脈瘤が見つかりました。すぐ手術ですか?
A. いいえ。リスクの低い瘤では、定期的な画像で見守る経過観察が標準的な選択です1。
経過観察か、治療か
破裂する確率はどれくらいですか?