もの忘れ外来
— 治せる原因・MCI・認知症を見極める
⚠ 急に進むもの忘れ・頭痛・歩行障害は要受診サインです
こんなお悩みはありませんか?
- 同じことを何度も聞き返す・話す
- 約束や予定をうっかり忘れることが増えた
- 慣れていた家事・仕事の段取りが難しくなった
- 財布・カギなど大事な物をよくなくす
- 道に迷うようになった・近所でも不安を感じる
- 頭をぶつけた数週間〜数ヶ月後から、ぼんやりするようになった
- 歩幅が小さくなり、転びそうになることが増えた
- 気分が沈む・意欲が出ない時期が続いている
- 家族から「最近様子がおかしい」と言われた
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700万人
日本の認知症患者数(2025年推計)2
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38%
MCI から正常な認知機能に戻る人の割合3
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45%
リスク因子の管理で予防可能とされる認知症の割合4
もの忘れには大きく分けて、年齢相応の生理的なもの忘れ、治療で改善が期待できる「治せるもの忘れ」(慢性硬膜下血腫・正常圧水頭症・甲状腺機能低下症・うつ病など)、そして認知症があります。まずタイプを見極めることが、最適な治療への第一歩です。
もの忘れのタイプを知る治せる原因・MCI・認知症の3タイプを判別する
「歳のせい」と思って放置されているもの忘れの中に、治療で改善が期待できる病気が隠れていることがあります。MRI・認知機能検査・血液検査で、まず「治せるもの忘れ」を見逃さないことが大切です。
気になるカードをタップすると詳しい説明が開きます
TYPE 01 / 治せるもの忘れ
見逃し厳禁
治療で改善が期待できるもの忘れ
特に頭部打撲後・歩行障害+尿失禁がそろうとき、「治せるもの忘れ」を疑う。
見分け方の手がかりが疾患ごとに比較的はっきりしている領域です。当てはまるものがあれば、ためらわずご相談ください。
- 慢性硬膜下血腫:頭部打撲の数週〜数ヶ月後にじわじわぼんやり
- 正常圧水頭症:もの忘れ+小刻み歩行+尿失禁の 3 徴
- 甲状腺機能低下・ビタミン B12 欠乏:採血で気づける
- うつ病性のもの忘れ(仮性認知症):意欲低下・気分の沈みが目立つ
TYPE 02 / 認知症(4大病型)
早期診断が重要
アルツハイマー型・レビー小体型・前頭側頭型・血管性
特徴は進行性かつ生活に支障が出始めたら、4大病型を見極めて治療方針を決める段階。
「何が前景に出ているか」で 4 大病型を見分ける段階。当てはまる気づきがあれば、認知症ページで詳しい鑑別と治療の選択肢をご覧ください。
- アルツハイマー型:同じ話を繰り返す・最近のことを覚えられないが年単位でゆっくり進む
- レビー小体型:いない人や虫が見える・受け答えが日によって違う・夢で大きく動く
- 前頭側頭型:性格・マナーが変わった・同じ行動を繰り返す(比較的若い世代にも)
- 血管性:脳卒中のあと階段状にガクッと低下・手足の麻痺やろれつの悪さを伴う
TYPE 03 / MCI
予防介入の好機
軽度認知障害(MCI)— 進行も正常化もある段階
現状は生活は自立しているが客観検査で低下がある段階。早期介入の意義が最も大きい時期。
「もの忘れ」とご家族の指摘はあるが、買い物・服薬・金銭管理など生活はおおむね自立している段階。次のような気づきが続くときは、一度きちんと評価する価値があります。
- 同じことを繰り返し聞くがご家族から指摘されるようになった
- 約束や予定の管理が以前ほどスムーズでないと感じる
- 言葉が出にくい・段取りが悪い・道に迷うなどが時々ある
- 5 年追跡で進行する人と正常に戻る人の両方がある段階で、早期介入の意義が大きい
当院のもの忘れ外来の特徴家族同席でMRI+認知機能検査をワンストップ
もの忘れの診療は「治せるもの忘れを見逃さない」ことから始まります。当院ではMRI・認知機能検査・血液検査をワンストップで行い、ご家族も含めた説明とフォローを大切にしています。
MRI+認知機能検査をワンストップで
MRIで脳の状態を確認しつつ、改訂長谷川式(HDS-R)・MMSEなどの認知機能検査と血液検査を組み合わせて、総合的に評価します。
ご家族も一緒に受けていただける診療
ご本人だけでなくご家族にも普段の様子を伺うことが、診断・治療の精度を大きく上げます。診察室にご一緒にお入りいただき、現状と見通しを共有します。
介護・専門医療への橋渡し
介護保険の意見書、地域包括支援センターや認知症疾患医療センターへの紹介、専門治療が必要な場合の連携など、その先の道筋まで一緒に考えます。
受診から診断までの流れ初診〜診断・支援方針までの4ステップ
初診時はご家族同伴をおすすめします。所要時間は検査を含めて90分程度を見ておいてください。
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問診(ご本人とご家族から)
いつ頃から・どんな様子か、生活への影響、頭部のけが、内服薬、ご家族から見た変化などを伺います。ご本人の自覚とご家族の見方を両方聞くことが大切です。
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認知機能検査
改訂長谷川式(HDS-R)・MMSEなどを行い、客観的にもの忘れの程度を評価します。ご本人を傷つけないよう配慮しつつ、丁寧に進めます。
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MRI・血液検査約15分
MRIで脳の状態を確認し、血液検査では甲状腺機能・ビタミンB12・葉酸など、治療で改善が期待できるもの忘れの原因をスクリーニングします。
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診断と治療・支援の方針当日〜継続
原因と現在の段階、薬物治療の選択肢、生活面の工夫、ご家族の支援体制まで一緒に整理します。介護保険・地域支援も含めて道筋をご提案します。
治療について治せるものは治す、認知症は進行をゆるやかに
「治せるもの忘れ」は手術や薬で改善が期待でき、認知症は薬と生活面の支援を組み合わせて進行をゆるやかにします。ご本人・ご家族の生活全体を支える視点を大切にしています。
気になるカードをタップすると詳しい説明が開きます
TYPE A / 治せるもの忘れの治療
原因を特定して、外科的・内科的に治す
方針は原因に応じた治療で、もの忘れ自体が改善する可能性がある領域。
気づき方の手がかりが疾患ごとにはっきりしているのが、この領域の特徴。当てはまるサインがあれば、早めに調べることで改善の余地が大きく変わります。具体的な治療法(手術・補充療法・抗うつ療法)の詳細はリンク先の各論ページにまとめています。
- 頭部打撲の数週〜数ヶ月後にぼんやりしてきた→ 慢性硬膜下血腫の可能性
- もの忘れ+小刻み歩行+尿失禁の 3 徴がそろう→ 正常圧水頭症の可能性
- 寒がり・体重増加・倦怠感を伴う→ 甲状腺機能低下症の可能性
- 両手のしびれ・ふらつきを伴う→ ビタミン B12 欠乏症の可能性
- 意欲低下・気分の沈み・睡眠の乱れ→ うつ病性のもの忘れ(仮性認知症)の可能性
TYPE B / 認知症の薬物・非薬物治療
薬と生活面の両輪で進行をゆるやかに
目標は進行を抑えることと生活の質を保つことを両立させる総合戦略。
「自分や家族が当てはまるか」を判断するための気づきを集めました。具体的な薬剤名・新規治療薬の対象条件・非薬物療法の組み立て方は、認知症ページに詳しくまとめています。
- もの忘れに加えて幻視・歩行障害・性格変化・脳卒中既往などがあると、病型ごとに治療の組み立てが変わる
- 軽度〜中等度の段階で受診できると、薬の選択肢と効果が広がりやすい
- 興奮・幻覚・不眠などのつらさがあるときは、まず環境調整で和らぐことも多い
- 運動・食事・社会参加・睡眠といった生活面の支援は、薬と同じくらい予後に影響する
- 介護保険・地域包括支援センターとの連携は、ご本人とご家族の負担を軽くする要
認知症の診療は、診断がゴールではなく「これからどう暮らしていくか」を一緒に考えるスタートです。当院では介護保険の意見書作成・専門医療機関への紹介も含め、長く伴走できる体制を整えています。
受診を急いだほうがよいサインすぐ受診/早めに相談/予約でOKの3段階
以下のような変化があるときは、もの忘れの裏に治療を急ぐ病気が隠れていることがあります。早めにご相談ください。
こんなサインがあるときは早めにご相談を
- 頭をぶつけた後、数週間〜数ヶ月してぼんやりしてきた(慢性硬膜下血腫)
- もの忘れ+小刻み歩行+尿失禁が揃っている(正常圧水頭症)
- 数日〜数週単位で急速に進行している
- 幻覚・妄想・不眠・興奮が強く、ご家族の負担が大きい
- 急に意識がぼんやりする・けいれんが起きた(救急要請を)
気になるもの忘れの緊急度をご確認ください
緊急
すぐに119番
- 急に意識がぼんやり・反応が鈍くなった
- けいれん・突然のろれつ困難を伴う
- 頭部打撲直後で会話がかみ合わない
119に電話する
注意
数日以内に受診
- 頭部打撲後にじわじわぼんやりしてきた
- 歩行障害+尿失禁+もの忘れが揃う
- 数週間〜数ヶ月で急速に進行している
0942-42-1155 に電話
相談
予約して受診
- 気になるもの忘れ・ご家族からの指摘
- MCIかどうか一度きちんと確かめたい
- 介護保険・支援体制の相談もしたい
WEB予約・アクセス
もの忘れの背景には、脳の構造や血管の変化が隠れていることがあります。気になる症状があれば、関連する病気のページもあわせてご覧ください。
よくある質問
Q. 加齢による「もの忘れ」と認知症は、どう違うのですか?
「忘れている自覚があるか」「日常生活に支障があるか」が大きな違いです。
- 加齢:体験の一部を忘れる/忘れている自覚がある/日常生活はほぼ問題ない
- 認知症:体験そのものを忘れる/自覚が乏しい/生活に支障が出始める
- 境目はあいまいで、検査で確かめると安心です
Q. 本人は「大丈夫」と言って受診を嫌がります。どうすれば?
よくあるご相談です。優先度順にご紹介します。
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最優先否定しない声かけから始める
「歳のせい」と決めつけないのが第一。本人の自尊心を守る入口を選びます。
例:「最近私も忘れっぽくて。一緒に頭の検査を受けてみない?」
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受診の「別の理由」を入口にする
頭痛・めまい・健診のついで・血圧の相談など、受診抵抗の少ないテーマを入口にして、診察の中でもの忘れの話に広げます。
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ご家族だけでも先に来院できる
ご本人を連れてこられないときは、ご家族のみの相談も可能です。普段の様子を伺い、声かけの工夫や受診のタイミングを一緒に考えます。
Q. 「治るもの忘れ」とは具体的にどんな病気ですか?
代表的なものを軸別にご紹介します。
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外科的に治すタイプ
慢性硬膜下血腫(頭部打撲後に脳表に血液がたまる)と正常圧水頭症(もの忘れ+小刻み歩行+尿失禁の3徴)。それぞれ穿頭血腫除去術・シャント手術で改善が期待できます。
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内科的に治すタイプ
甲状腺機能低下症はホルモン補充、ビタミンB12欠乏症は注射または内服で補充します。いずれも採血で診断できます。
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精神面の治療で改善するタイプ
うつ病性のもの忘れ(仮性認知症)は、抗うつ療法と休養・生活リズムの再構築で大きく改善することがあります。
Q. MRIだけで認知症の診断はできますか?
MRIだけでは確定診断はできません。役割を分けて見ていきます。
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MRI で見えるもの
海馬や前頭葉の萎縮・脳血管の病変・水頭症・慢性硬膜下血腫などはMRIで描出できます。「治せるもの忘れ」の除外には欠かせません。
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MRI では分からないこと
認知機能の程度・生活への支障の有無はMRIでは評価できません。HDS-R・MMSEなどの認知機能検査と問診で補います。
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追加で必要になる検査
病型をより詳しく調べる場合は、脳血流SPECT・脳脊髄液検査・アミロイドPETなどを認知症疾患医療センター等の専門機関で行うことがあります。
Q. 介護保険の手続きについて相談できますか?
役割を分けて、必要な窓口へつなぎます。
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主治医意見書の作成
市区町村への介護保険申請に必要な主治医意見書を、当院で作成します。診察内容を踏まえ、現在の状態と必要な支援を記載します。
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地域包括支援センターとの連携
お住まいの地域の地域包括支援センターやケアマネジャーへの橋渡しを行い、デイサービス・訪問介護などの利用相談につなぎます。
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ご家族の介護負担への配慮
ご家族の睡眠不足・介護うつなどの共倒れリスクもご相談ください。レスパイト入院や認知症カフェなどの情報もお伝えします。
Q. 認知症を予防するために、何を心がければよいですか?
14のリスク因子の管理で約45%が予防可能と推計されています4。優先度別にご紹介します。
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最優先毎日の血管リスクを下げる
高血圧・糖尿病・脂質異常症の治療を中断しないこと。禁煙・節酒・肥満の改善も同じくらい大切です。これらは認知症だけでなく脳卒中の予防にも直結します。
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注意体と頭を動かす
有酸素運動(ウォーキング等)を週3〜5回、地中海食または和食ベースの食事、難聴があれば補聴器を使うことで脳への刺激を保ちます。
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人と関わり、よく眠る
社会的な孤立を避ける(家族・友人・地域活動への参加)、うつや不安の早めのケア、睡眠の質を整えることが、長期的な認知機能の維持につながります。