片頭痛(へんずつう)発作を軽くする・回数を減らす治療が大きく進化

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5項目セルフチェック / いくつ当てはまりますか?

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チェックの数に応じて、次のご案内が変わります。

さらに心当たりがあれば(参考・4項目)
  • 頭痛の前にギザギザした光が見える(閃輝暗点)
  • 頭痛が4〜72時間と長く続くことがある
  • 市販の痛み止めを使う日が増えている
  • 家族にも片頭痛持ちの人がいる

出典: Lipton RB, et al. Neurology 2003; 61(3): 427-433を参考に当院で再構成。受診の目安にしてください。

受診から診断までの流れ問診から MRI、診断結果まで

はじめての方でも、問診と検査でタイプを見極めていきます。

  1. 問診 いつから・どんな痛み・1回何時間続くか・月の頻度・きっかけをうかがいます。頭痛ダイアリーやお薬手帳があるとスムーズです。
  2. MRI検査(必要に応じて)約10〜15分 / 痛みなし 脳や血管に他の病気がないかを確認します。片頭痛そのものはMRIでは診断できませんが、危険な頭痛を除外するための大切な工程です。結果は当日ご説明します。
  3. 診断 問診・診察・検査結果から、片頭痛かどうか、どのタイプに当てはまるかを判断します。
  4. 治療方針のご相談 生活上の工夫、急性期の薬、予防の薬を、発作頻度・生活への影響・ご希望にあわせて決めていきます。

片頭痛の治療は、「いま起きている発作を止める」急性期治療と、「発作の回数そのものを減らす」予防治療の2方向で考えます1。片方だけでも、両方を組み合わせても構いません。発作の頻度や生活への影響にあわせて選んでいきます。

急性期治療発作が来たら早めに止める

いま起きている発作を、できるだけ短く・軽く抑える治療です。痛みが出始めて30分以内を目安に薬を使います。あわせて、暗く静かな場所で休み、水分をとり、痛む場所を冷やすことも助けになります。薬の種類・量・飲み始めのタイミングは一人ひとり違うため、痛みの強さに合わせて医師と相談のうえお使いください。

アセトアミノフェン・NSAIDs

① 軽〜中等度の痛みに

カロナール(アセトアミノフェン)やロキソプロフェンなどのNSAIDsが選択肢になります。比較的使いやすい一方、強い片頭痛発作には不十分なことがあります。

  • 繰り返し使う場合は6〜8時間あける
  • 胃の不快感や腎への負担に注意
  • 妊娠・授乳中は必ず医師に相談
  • 市販薬との飲み合わせも要確認
トリプタン・ラスミジタン

② 片頭痛専用の薬

片頭痛の痛みや吐き気をやわらげやすい専用薬。痛みが出始めてから30分以内を目安に使うと効きやすくなります。

  • 内服・点鼻・舌下・注射など剤形が豊富
  • 副作用:胸の圧迫感・眠気・だるさ など
  • 心筋梗塞・脳卒中の既往がある方は使えないことも
  • ラスミジタン(ジタン系)は血管への影響が少ない選択肢

薬剤の使いすぎによる頭痛(薬剤使用過多頭痛)の目安12

ひとりで量を増やす前に、一度ご相談ください。減らし方や予防の話を一緒に考えていきます。

予防治療発作の回数・つらさを減らす

予防治療は「重症の人だけのもの」ではありません。発作の頻度や生活への支障、急性期の薬を使う回数などをふまえて、一緒に検討していきます。効果は多くの場合2〜3か月続けて判断し、発作日数が半分以下に減れば「効いている」とみます。

予防治療を検討する目安(いずれかに当てはまる方)

従来の予防薬(毎日内服)

① 飲み薬で整える

バルプロ酸(デパケン)、プロプラノロール(インデラル)、ロメリジン(ミグシス)などが代表的。

  • 費用負担が比較的軽い
  • 眠気・ふらつき・むくみ などの副作用に注意
  • 妊娠・授乳中は使えない薬があるので要相談
  • 少量から始めて様子をみて調整
CGRP抗体(注射) 約6割で半減

② 1〜3か月に1回の注射

CGRP(片頭痛の痛みに関わる伝達物質)を抑える抗体薬。ガルカネズマブ、フレマネズマブなどが代表で、月間頭痛日数の減少が期待できます。

  • 月1回または3か月に1回の皮下注射
  • 従来薬で効果不十分な方の選択肢
  • 注射部位の反応・便秘などの副作用
  • 妊娠・授乳・心血管の持病は事前相談
ゲパント(飲み薬)

③ CGRP関連の飲み薬

注射が苦手な方にも使える、CGRPをブロックする飲み薬。毎日または隔日の服用で、予防専用タイプと、発作時・予防の両方に使えるタイプがあります。

  • 注射に抵抗がある方の選択肢
  • 悪心・便秘・眠気 などの副作用
  • 肝・腎機能障害がある方は要相談
頭痛ダイアリーで評価

2〜3か月で効果判定

予防薬は始めてすぐには効果が見えにくい治療です。頭痛日数が50%以上減れば「有効」と判断します。

  • 紙の手帳・アプリ・カレンダー、どれでもOK
  • 痛みの強さ・服薬日数・誘因もあわせて記録
  • 副作用・生活の変化も受診時に共有を

片頭痛の 4 つの段階予兆 → 前兆 → 頭痛 → 後発症状

片頭痛は「頭痛が起きている時間」だけの病気ではありません。発作の前後には段階ごとに違うサインがあります24。ご自身のパターンを知ると、早めの対処や予防に役立ちます。

  1. 予兆期24〜48時間前 あくびが増える、集中力が落ちる、甘いものが食べたくなる、首肩のこり — なんとなくの不調。ここで気づけると早めの対策につながります。
  2. 前兆期5〜60分 / 約30%の方に 視界にギザギザした光(閃輝暗点)、手足や顔のしびれ、言葉が出にくい、など。5分〜1時間ほどで自然に消えます。
  3. 頭痛期4〜72時間 ズキズキ拍動する痛みが片側または両側に。動くと悪化し、光・音・においがつらく、吐き気を伴うことが多い段階です。痛みが強くなる前の早期服用が効果的です。
  4. 回復期〜48時間 痛みは引いたあとも、ぐったりした疲労感や集中力低下が残ることがあります。片頭痛の自然な経過です。

頭痛ダイアリー(いつ・どれくらい痛かったか、薬を何日飲んだかの記録)をつけると、ご自身のパターンがつかみやすくなります。紙のメモでもスマホアプリでも構いません。受診の際にお持ちいただけると、診断や治療方針の相談がスムーズになります。

発作を引き起こす「引き金」把握して避けるだけで回数が減る

片頭痛は、引き金がひとつだけではなく複数が重なったときに起きやすくなります。ご自身の引き金を知ることが、発作予防の第一歩です。

睡眠の乱れ

寝不足だけでなく、休日の寝すぎも引き金に。できるだけ同じ時刻の起床・就寝を。

ストレスと解放

強いストレスだけでなく、解放されたあと(休日・連休)に発作が起きることもあります。

ホルモンの変化

女性に多い背景のひとつ。月経周期に合わせて起きる方は、タイミングの記録が治療の助けになります。

天候・気圧の変化

雨、台風の接近、急な気圧低下の前後に起きやすい方が多くみられます。予報アプリの活用もおすすめです。

強い光・音・におい

直射日光、蛍光灯のちらつき、香水・タバコのにおいなど、脳にとって過大な刺激が誘因になります。

空腹・アルコール

食事を抜かないことが大切。赤ワインなどのアルコール、チーズ・チョコレートで誘発される方もいます。

危険な頭痛のサインすぐに受診を

以下にあてはまるときはすぐに119番・救急要請を

あなたの頭痛の緊急度をご確認ください

緊急

すぐに119番

  • 突然の、経験したことのない激しい頭痛
  • 手足のしびれ・麻痺・ろれつが回らない
  • 意識がもうろう・けいれんが止まらない
  • 高熱・首のこわばりを伴う頭痛
119に電話する
注意

今日中に受診

  • いつもと違う痛み方が数時間以上続く
  • 痛み止めが全く効かず吐き気も強い
  • 50歳以降で初めての強い頭痛
0942-42-1155 に電話
相談

予約して受診

  • ズキズキする頭痛が月に何度も起きる
  • 市販薬を使う日が増えていて不安
  • CGRP関連薬など予防治療を相談したい
WEB予約・アクセス

よくある質問

片頭痛は体質ですか?治りますか?
体質的な「なりやすさ」はありますが、治療で十分コントロールできる頭痛です。「治す」ではなく「うまく付き合う」ことを目標に、3 段階で考えます。
  1. ① なりやすさ — 遺伝・体質の影響がある 家族に同じ頭痛持ちの方が多い傾向があり、脳の神経が痛み刺激に過敏に反応しやすい体質が背景にあります。完全に「治す」というより、発作とうまく付き合う発想がベースになります。
  2. 最優先② 治療目標 — 発作を減らす・短く軽くする 治療は急性期治療(短く軽くする)予防治療(回数そのものを減らす)の 2 本柱。トリプタン・ラスミジタン・CGRP 関連薬など選択肢が増え、適切な治療で日常生活への影響を大きく減らせる方がほとんどです。
  3. ③ 加齢と妊娠 — 自然と軽くなることもある 女性ホルモンの影響を受けるため、閉経後や妊娠中は発作が軽くなる方もいます。逆に更年期で一時的に増える時期もあるので、状況に合わせて治療を調整していきます。
「片頭痛」は名前のとおり片側しか痛まないものですか?
いいえ。約4割の方は両側が痛みます。
  • 左右が入れ替わる/部位が移動する方もいる
  • ズキズキ脈打つ・光や音がつらい・吐き気・動くと悪化 が特徴
  • 「両側だから片頭痛ではない」と自己判断せずご相談を
市販の痛み止めで我慢していれば大丈夫ですか?
軽い発作なら市販薬でも対応できますが、月に何度も使うなら専用薬や予防薬を検討するタイミングです。
  1. ① 軽度の発作 — 市販薬でしのげる アセトアミノフェン・NSAIDs などの市販薬で十分に痛みが治まり、月に数回程度でおさまっているなら大きな問題にはなりにくいです。痛みが出始めて30 分以内に飲むと効きやすくなります。
  2. ② 強い発作・頻発する場合 — 専用薬が選択肢 片頭痛発作にはトリプタン系・ラスミジタンなどの専用薬のほうが効きやすいことが多く、市販薬で物足りない方の選択肢になります。月に何度も発作がある方は、CGRP 関連薬・従来の予防薬で発作回数そのものを減らす治療も選べます。
  3. ③ 注意 — 市販薬の飲みすぎで頭痛が悪化することがある 市販薬を月 15 日以上、トリプタン系専用薬を月 10 日以上使い続けると、かえって頭痛が増える薬剤の使いすぎによる頭痛が起こり得ます。「飲む日が増えてきた」と感じたら、ひとりで増やさず一度ご相談ください。
CGRP関連の注射薬はどんな薬ですか?費用は?
片頭痛の痛みに関わる伝達物質(CGRP)をブロックする新しい予防薬です。仕組み・費用・適応の 3 点で整理します。
  1. ① 仕組み — CGRP(片頭痛の痛み物質)をブロックする 片頭痛の発作中に増えるCGRP(片頭痛の痛みの伝達物質)を抑える抗体薬で、月 1 回または 3 か月に 1 回の皮下注射で発作の回数を減らします。注射が苦手な方にはゲパント系の飲み薬タイプもあります。
  2. ② 費用 — 保険適用で月 1〜1.5 万円前後(3 割負担) 保険適用となっており、月 1〜1.5 万円前後(3 割負担)が目安です。継続投与が前提の薬のため、効果と費用感の両方をご相談ください。
  3. ③ 適応 — 月 4 回以上の発作・従来薬で効果不十分の方 どなたでも使えるわけではなく、月 4 回以上の片頭痛発作がある方や従来の予防薬で効果が不十分・副作用で続けにくい方が対象です。発作の頻度・治療歴・生活への影響を確認したうえで適応を判断します。
予防薬はいつまで続ければいいですか?
効果判定にまず 2〜3 か月、状態が安定したら減量・中止を検討します。始め方・続け方・やめ方の 3 段階です。
  1. ① 始め方 — 効果判定にまず 2〜3 か月 予防薬は飲み始めてすぐ効くわけではなく、2〜3 か月かけて発作頻度の変化を見るのが基本です。頭痛ダイアリーで発作回数・薬を使った日数を記録すると、効果の判定がしやすくなります。
  2. ② 続け方 — 発作が減った状態を半年〜1 年 発作が十分減った状態が半年〜1 年続いたら、減量や中止のタイミングを相談します。CGRP 関連薬は治療効果を確認しながら継続期間を決めていきます。
  3. ③ やめ方 — 様子を見ながら徐々に減らす/必要なら再開 減量・中止後に発作が増えたら再開も可能です。「ずっと飲み続ける薬」ではなく、生活への影響と発作頻度を見ながら頭痛ダイアリーを基に一緒に判断していきます。
妊娠中・授乳中の片頭痛はどうすればいいですか?
使える薬が限られるため、必ず事前にご相談ください。
  • 生活リズム・引き金回避を中心に、必要時アセトアミノフェンなど
  • トリプタン・CGRP関連薬・バルプロ酸は原則避ける/慎重投与
  • 妊娠中は片頭痛が軽くなる方も多い
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つつみ脳神経外科クリニック
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