片頭痛(へんずつう)発作を軽くする・回数を減らす治療が大きく進化

片頭痛のページ冒頭イラスト。「片頭痛は、治療で“軽く・減らす”ができる」「“止める”と“減らす”の2方向で、明るい毎日へ」の見出しとともに、頭痛ダイアリーを抱えた女性が日差しのなか明るい外の日常へ前向きに歩み出す姿、発作を止める・回数を減らす・まず相談の3つのチェック項目、頭痛の印が減っていくカレンダーを描き、急性期治療と予防治療の2方向で片頭痛をコントロールし日常を取り戻せることを示している。
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片頭痛かどうか、
分からない
3つ以上あれば疑い
両側が痛むから片頭痛ではないはず 約4割は両側が痛む 月に数回は、市販薬でしのいでいる 飲むなら30分以内 月に何度も寝込んで、仕事を休む 月2回以上なら予防治療を検討 痛み止めを飲む日が、増えてきた 月10日以上なら、
使いすぎの目安
頭痛の前にギザギザの光が出る 約30%にある前兆 休日や天気の崩れで、決まって痛む 引き金は6つ 妊娠中・授乳中で
薬が心配
使える薬が限られる
突然の、これまでにない激しい頭痛 片頭痛の痛みは「いつもの」痛み方です。これまでに無い強さ・急な始まり・手足の麻痺やろれつの異常を伴うときは、片頭痛ではない病気を先に確かめます。 119番の目安を確認する
当てはまらない方は、「片頭痛とは」から順に

ABOUT片頭痛とは、どんな頭痛か特徴のセルフチェックと、発作の 4 つの段階

5項目セルフチェック / いくつ当てはまりますか?

0 / 5

3つ以上あてはまれば、片頭痛が強く疑われます。

さらに心当たりがあれば(参考・4項目)
  • 頭痛の前にギザギザした光が見える(閃輝暗点=せんきあんてん)
  • 頭痛が4〜72時間と長く続くことがある
  • 市販の痛み止めを使う日が増えている
  • 家族にも片頭痛持ちの人がいる

出典: Lipton RB, et al. Neurology 2003; 61(3): 427-433を参考に当院で再構成。受診の目安にしてください。

約4割の方は両側が痛みます。左右が入れ替わる方、痛む場所が移動する方もいます。「両側だから片頭痛ではない」と自己判断せず、上のチェックで特徴を確かめてください。

片頭痛の経過を4つの場面で左から右へ並べたイラスト。「予兆期」はデスクであくびが出る、「前兆期」は窓辺で目元に手をかざす、「頭痛期」は薄暗い部屋でこめかみを押さえて休む、「回復期」はソファにもたれてひと息つく。同じご本人が順に進んでいく。

片頭痛は「頭痛が起きている時間」だけの病気ではありません。発作の前後には段階ごとに違うサインがあります24。ご自身のパターンを知ると、早めの対処や予防に役立ちます。

発作の前

  1. 予兆期24〜48時間前 あくびが増える・集中力が落ちる・甘いものが欲しくなる・首肩のこり。なんとなくの不調にここで気づけると、早めの対策につながります。
  2. 前兆期5〜60分 / 約30%の方に 視界にギザギザした光(閃輝暗点)・手足や顔のしびれ・言葉が出にくい。5分〜1時間ほどで自然に消えます。

発作

  1. 頭痛期4〜72時間 ズキズキ拍動する痛み(片側または両側)・動くと悪化・光・音・においがつらい・吐き気。痛みが強くなる前の早期服用が効果的です。

発作のあと

  1. 回復期〜48時間 ぐったりした疲労感・集中力の低下。痛みが引いたあとも残ることがある、片頭痛の自然な経過です。

FLOW受診から診断までの流れ問診・MRI検査・診断・治療の相談

受診から診断までの4つの場面を左から右へ並べたイラスト。「問診」で机をはさんで頭痛の様子を伝え、「MRI検査」で脳を調べ、「診断」でモニターの画像を見ながら説明を受け、「治療の相談」で薬とダイアリーを前に方針を決める。同じご本人が順に進んでいく。

はじめての方でも、問診と検査でタイプを見極めていきます。

当日

  1. 問診 いつから・どんな痛み・1回何時間続くか・月の頻度・きっかけをうかがいます。頭痛ダイアリーやお薬手帳があるとスムーズです。
  2. MRI検査(必要に応じて)約10〜15分 / 痛みなし 脳や血管に他の病気がないかを確認します。片頭痛そのものはMRIでは診断できませんが、危険な頭痛を除外するための大切な検査です。結果は当日ご説明します。
  3. 診断 問診・診察・検査結果から、片頭痛かどうか、どのタイプに当てはまるかを判断します。
  4. 治療の相談 生活上の工夫、急性期の薬、予防の薬を、発作頻度・生活への影響・ご希望にあわせて決めていきます。急性期の薬はその日から使えます

次の受診から

  1. 効き方を確かめて、調整する 使ってみてどうだったかをうかがい、薬の種類・量・使うタイミングを調整します。予防の薬は効果がはっきりするまで時間がかかるため、あせらず続けます。

TREATMENT急性期治療発作が来たら早めに止める

片頭痛の治療は、「いま起きている発作を止める」急性期治療と、「発作の回数そのものを減らす」予防治療の2方向で考えます1。片方だけでも、両方を組み合わせても構いません。

急性期治療は痛みが出始めたら早めに薬を使い、あわせて暗く静かな場所で休み、水分をとり、痛む場所を冷やすことも助けになります。

1はじめの一手

飲み薬発作のとき

軽い〜中くらいの痛みに

アセトアミノフェン(カロナール)NSAIDs(ロキソプロフェンなど)

NSAIDs(エヌセイズ)=一般的な痛み止め

使い方
痛み始めに。繰り返すなら6〜8時間あける
効き目
軽い〜中くらいの発作を止める。強い発作には不十分なことも
注意・相談
胃の不快感・腎への負担。市販薬との飲み合わせ、妊娠・授乳中の使用は必ず医師に相談

2①で足りないとき

飲み薬・点鼻・舌下・注射発作のとき

片頭痛と分かっている発作に

トリプタンラスミジタン

ラスミジタンは血管への影響が少ないタイプ

使い方
痛みが出始めてから30分以内が目安
効き目
片頭痛の痛みと吐き気をやわらげやすい専用薬
注意・相談
胸の圧迫感・眠気・だるさ。心筋梗塞・脳卒中を起こしたことがある方は使えないことも

薬剤の使いすぎによる頭痛(薬剤使用過多頭痛)の目安12

「飲む日が増えて、怒られないかな」

怒るためではありません。ひとりで増やす前にご相談ください。減らし方や予防を一緒に考えます。

PREVENTION予防治療発作の回数・つらさを減らす

「予防の治療は、
もっと重い人向けだよね」

そうとは限りません。発作の回数や生活への支障、痛み止めを使う日数から、一緒に検討します。目安は下の 4 つです。

予防治療を検討する目安(いずれかに当てはまる方)

飲み薬毎日

まず試しやすい、毎日の飲み薬

バルプロ酸(デパケン)プロプラノロール(インデラル)ロメリジン(ミグシス)など

費用負担が比較的軽い

使い方
少量から始めて様子をみて調整
効き目
発作の回数を減らす
注意・相談
眠気・ふらつき・むくみ。妊娠・授乳中は使えない薬があるので要相談
注射月1回〜3か月に1回

飲み薬で足りないときの注射

CGRP抗体ガルカネズマブフレマネズマブなど)

CGRP=片頭痛の痛みに関わる伝達物質

使い方
皮下注射。従来の飲み薬で効果が不十分なときの選択肢
効き目
6割の方で頭痛日数が半減
注意・相談
注射部位の反応・便秘。妊娠・授乳・心血管の持病は事前相談
飲み薬毎日または1日おき

注射が苦手な方の、新しい飲み薬

ゲパントCGRP受容体拮抗薬

CGRP=片頭痛の痛みに関わる伝達物質

使い方
飲み薬。予防専用タイプと、発作時・予防の両方に使えるタイプがある
効き目
CGRPをブロックして発作を減らす
注意・相談
吐き気・便秘・眠気。肝臓・腎臓の病気がある方は要相談

効いているかは、頭痛ダイアリーで判定します

TRIGGERS発作を引き起こす「引き金」思いあたる引き金はありませんか?

片頭痛は、引き金がひとつだけではなく複数が重なったときに起きやすくなります。ご自身の引き金を把握して避けるだけで、発作の回数は減らせます。

片頭痛の発作を引き起こす6つの引き金をまとめた図。中央に脳を置き、まわりに引き金をほぼ同じ大きさで配置している。寝不足・寝すぎ(ベッドと目覚まし時計)、緊張がとけた休日(ノートパソコンと書類、コーヒーカップ)、月経の前後(カレンダーと女性のマーク)、天気の崩れ(雨雲と気圧計)、強い光・音・におい(電球・音符・においの波線)、空腹・アルコール(赤ワイン・チーズ・チョコレート・タバコ)。
寝不足・寝すぎ

休日の寝すぎも引き金になります。なるべく同じ時刻の起床・就寝を。

緊張がとけた休日

強いストレスだけでなく、解放されたあと=休日・連休にも起きやすくなります。

月経の前後

女性に多い背景です。周期に合わせて起きる方は、記録が治療の助けになります。

天気の崩れ

雨や台風が近づく気圧の低下の前後に起きやすく、予報アプリで備えられます。

天気痛のコラムへ
強い光・音・におい

直射日光、蛍光灯のちらつき、香水やタバコのにおいなど。サングラスや席の位置、香りを避ける工夫で減らせます。

空腹・アルコール

空腹は引き金になります。赤ワイン・チーズ・チョコレートで誘発される方も。

WARNING SIGNS危険な頭痛のサイン119番/今日中/予約の 3 段階

あなたの頭痛の緊急度をご確認ください

緊急

すぐに119番

  • 突然の、これまでにない激しい頭痛
  • 手足のしびれ・麻痺・顔のゆがみ・ろれつが回らない
  • 意識がもうろう・けいれんが止まらない
  • 高熱・首のこわばりを伴う頭痛
119に電話する
注意

今日中に受診

  • いつもと違う痛み方が数時間以上続く
  • 痛み止めが全く効かず吐き気も強い
  • 50歳以降で初めての強い頭痛
0942-42-1155 に電話
相談

予約して受診

  • ズキズキする頭痛が月に何度も起きる
  • 市販薬を使う日が増えていて不安
  • CGRP関連薬など予防治療を相談したい
WEB予約・アクセス

FAQよくある質問

片頭痛は体質ですか?治りますか?
体質的な「なりやすさ」はありますが、治療で十分コントロールできる頭痛です。「治す」ではなく「うまく付き合う」ことを目標に、3 段階で考えます。
  1. ① なりやすさ — 遺伝・体質の影響がある 家族に同じ頭痛持ちの方が多い傾向があり、脳の神経が痛み刺激に過敏に反応しやすい体質が背景にあります。完全に「治す」というより、発作とうまく付き合う発想がベースになります。
  2. 最優先② 治療目標 — 発作を減らす・短く軽くする 治療は急性期治療(短く軽くする)予防治療(回数そのものを減らす)の 2 本柱。トリプタン・ラスミジタン・CGRP 関連薬など選択肢が増え、適切な治療で日常生活への影響を大きく減らせる方がほとんどです。
  3. ③ 加齢と妊娠 — 自然と軽くなることもある 女性ホルモンの影響を受けるため、閉経後や妊娠中は発作が軽くなる方もいます。逆に更年期で一時的に増える時期もあるので、状況に合わせて治療を調整していきます。
「片頭痛」は名前のとおり片側しか痛まないものですか?
いいえ。約4割の方は両側が痛みます。左右が入れ替わる方もいます。特徴は「片頭痛とは、どんな頭痛か」のセルフチェックで確かめられます。
市販の痛み止めで我慢していれば大丈夫ですか?
軽い発作なら市販薬でも対応できますが、月に何度も使うなら専用薬や予防薬を検討するタイミングです。
  1. ① 軽度の発作 — 市販薬でしのげる アセトアミノフェン・NSAIDs などの市販薬で十分に痛みが治まり、月に数回程度でおさまっているなら大きな問題にはなりにくいです。痛みが出始めて30 分以内に飲むと効きやすくなります。
  2. ② 強い発作・頻発する場合 — 専用薬が選択肢 片頭痛発作にはトリプタン系・ラスミジタンなどの専用薬のほうが効きやすいことが多く、市販薬で物足りない方の選択肢になります。月に何度も発作がある方は、CGRP 関連薬・従来の予防薬で発作回数そのものを減らす治療も選べます。
  3. ③ 注意 — 市販薬の飲みすぎで頭痛が悪化することがある 市販薬を月 15 日以上、トリプタン系専用薬を月 10 日以上使い続けると、かえって頭痛が増える薬剤の使いすぎによる頭痛が起こり得ます。「飲む日が増えてきた」と感じたら、ひとりで増やさず一度ご相談ください。
CGRP関連の注射薬はどんな薬ですか?費用は?
片頭痛の痛みに関わる伝達物質(CGRP)をブロックする新しい予防薬です。仕組み・費用・適応の 3 点で整理します。
  1. ① 仕組み — CGRP(片頭痛の痛み物質)をブロックする 片頭痛の発作中に増えるCGRP(片頭痛の痛みの伝達物質)を抑える抗体薬で、月 1 回または 3 か月に 1 回の皮下注射で発作の回数を減らします。注射が苦手な方にはゲパント系の飲み薬タイプもあります。
  2. ② 費用 — 3 割負担で、薬代は月 1.2〜1.3 万円ほど 保険が使えます。3 割負担の場合、薬代は月 1.2〜1.3 万円ほどです。12 週ごとにまとめて打つ方法でも、月あたりはほぼ同じです。初回だけ 2 本打つ薬では、最初の月が高くなります。金額は 2026 年 8 月時点の薬価で計算したもので、薬価の改定で変わります5。継続投与が前提の薬のため、効果と費用感の両方をご相談ください。
  3. ③ 適応 — 月 4 回以上の発作・従来薬で効果不十分の方 どなたでも使えるわけではなく、月 4 回以上の片頭痛発作がある方や従来の予防薬で効果が不十分・副作用で続けにくい方が対象です。発作の頻度・治療歴・生活への影響を確認したうえで適応を判断します。
予防薬はいつまで続ければいいですか?
効果判定にまず 2〜3 か月、状態が安定したら減量・中止を検討します。始め方・続け方・やめ方の 3 段階です。
  1. ① 始め方 — 効果判定にまず 2〜3 か月 予防薬は飲み始めてすぐ効くわけではなく、2〜3 か月かけて発作頻度の変化を見るのが基本です。頭痛ダイアリーで発作回数・薬を使った日数を記録すると、効果の判定がしやすくなります。
  2. ② 続け方 — 発作が減った状態を半年〜1 年 発作が十分減った状態が半年〜1 年続いたら、減量や中止のタイミングを相談します。CGRP 関連薬は治療効果を確認しながら継続期間を決めていきます。
  3. ③ やめ方 — 様子を見ながら徐々に減らす/必要なら再開 減量・中止後に発作が増えたら再開も可能です。「ずっと飲み続ける薬」ではなく、生活への影響と発作頻度を見ながら頭痛ダイアリーを基に一緒に判断していきます。
妊娠中・授乳中の片頭痛はどうすればいいですか?
使える薬が限られるため、必ず事前にご相談ください。
  • 生活リズム・引き金回避を中心に、必要時アセトアミノフェンなど
  • トリプタン・CGRP関連薬・バルプロ酸は原則避ける/慎重投与
  • 妊娠中は片頭痛が軽くなる方も多い

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つつみ脳神経外科クリニック
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午後 14:00 – 18:00 14:00 – 17:00 14:00 – 18:00 14:00 – 17:00

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