片頭痛の予防注射(CGRP抗体薬)、効きやすい人・効きにくい人効果を分ける特徴が、研究からわかってきました
コラムテーマ:治療(お薬)・予防
片頭痛の予防に使う注射のお薬(抗CGRP抗体薬)は、月に何度も起こる発作を減らすことが期待でき、近年使われるようになった予防の選択肢です。効き方には個人差があり、とてもよく効く方もいれば、残念ながらあまり効かない方もいます。「どんな人に効きやすいのか」を調べたドイツの研究1から、その手がかりが見えてきました。
抗CGRP抗体薬とは(簡単なおさらい)
- CGRPは、片頭痛の発作中に神経から出て、頭の血管に作用する物質です。このお薬は、その働きをおさえて発作を起こりにくくします。月1回などの皮下注射が中心です。
- 主な対象:月に平均4日以上の片頭痛があるなど一定の条件を満たし、これまでの予防薬が合わなかった・効かなかった方。対象になるかどうかは、受診時に医師が確認します。
- 効果の見方:効果はすぐには出ません。3か月ほどを「効くかどうかを見極める期間」として続け、片頭痛の日数が減るかで判断します。
効きやすい人・効きにくい人の特徴
ドイツの頭痛専門センターで、抗CGRP抗体薬を使った片頭痛の患者さんを、過去の記録をさかのぼって調べた研究です1。「とてもよく効いた人」と、2種類の抗CGRP抗体薬(受容体に効くタイプ・CGRPそのものをおさえるタイプ)を試してもほとんど変わらなかった人で、特徴を比べました。
効きやすい傾向の人
- 発作のときに吐く(嘔吐)ことが多い
- 片側がズキズキするなど“典型的な片頭痛”らしい
- トリプタン(病院で処方される片頭痛専用の発作止め)がよく効く
効きにくい傾向の人
- 慢性片頭痛(月の半分以上、頭痛がある)
- 痛み止めの使いすぎによる頭痛がある
- 気分の落ち込み(うつ)が重なっている
上の「効きにくい傾向」に当てはまっても、「効かない」と決まるわけではありません。当てはまっても効く方はいますし、効きにくい場合でも打つ手はあります。
効きにくい傾向があっても、できることがあります。
- 痛み止めの使いすぎの見直し、気分の落ち込み(うつ)の治療、別のタイプの予防薬への変更など、打つ手があります。
- 1種類目が合わなくても、別の抗CGRP抗体薬を試すこともできます。
- 自己判断で中止せず、3か月を目安に、効果を主治医と確認しながら進めましょう。
よくある質問
Q. どのくらいで効果が分かりますか?
3か月ほどが目安です。すぐに効かなくても、続けることで効いてくることがあります。頭痛が起きた日を記録する「頭痛ダイアリー」をつけると、効果を客観的に確認できます。
Q. 効果が出たら、ずっと続けるのですか?
効果や副作用を見ながら、続ける・間隔をあける・いったん見直すなどを、主治医と相談して決めていきます。
受診のご案内
月に何度も片頭痛がある、痛み止めが手放せない、予防薬を試したけれど効かなかった——あるいは、これから予防を考えている方も、予防治療を見直すことで生活がぐっと楽になることがあります。当院では、頭痛のタイプや併せ持つ症状を確認しながら、お一人おひとりに合った片頭痛予防をご提案します。