くも膜下出血(くもまくかしゅっけつ:subarachnoid hemorrhage)突然の激しい頭痛・意識障害 — 多くは脳動脈瘤の破裂

くも膜下出血のページ冒頭イラスト。「破裂する前に、見つけて防ぐ」の見出しとともに、脳の表面の動脈にできた脳動脈瘤と、頭部MRI・MRAで検査するようす、相談する医師と患者を描き、突然の激しい頭痛に気づく・破裂前に見つける・相談する流れを示している。
⚠ 突然の激しい頭痛・嘔吐・うなじのこわばり・意識がおかしい方はこちら

くも膜下出血のサイン「人生で最悪」の突然の頭痛は、ためらわず 119

くも膜下出血の最大の特徴は、突然の激しい頭痛です。多くは突然始まってすぐに最も強くなり、「バットで殴られたような」「人生で最悪の頭痛」と表現されます4。脳梗塞・脳出血で目印になる「顔・腕・言葉の異常(FAST)」とは違い、突然の頭痛・嘔吐・意識の変化が前面に出るのが特徴です。

くも膜下出血のサインを示した図。中央に頭をかかえる人を描き、まわりに代表的なサイン=突然の激しい頭痛(バットで殴られたような、人生で最悪と感じる強さ)、嘔吐・吐き気、うなじ・首の後ろのこわばり(項部硬直)、意識がもうろう・一時的に気を失う、けいれんを配置している。

こんな症状が"突然"出ていませんか?

1 つでも当てはまり、それが"突然"なら119 を最優先に。迷うときは当院(0942-42-1155にもご相談ください。

くも膜下出血の原因原因の多くは、脳の血管にできた「脳動脈瘤」の破裂

くも膜下出血の原因の多く(およそ 8 割)は、脳の血管にできたこぶ(脳動脈瘤)の破裂です1。残りは、生まれつきの血管の異常や動脈の裂け目(解離)などによります。原因を見極めることが、治療とその後につながります。

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くも膜下出血の原因を左右で対比した図解。左は最も多い原因=脳動脈瘤の破裂(脳の太い血管の枝分かれにできたこぶが破れ、くも膜の下に出血が広がるようす)、右はそのほかの原因(脳動静脈奇形AVM・動脈解離・外傷など)。中央に脳と血管、こぶ(動脈瘤)を描いている。
① 脳動脈瘤の破裂 最も多い

脳の血管にできた「こぶ」が破れる

脳の太い血管の枝分かれにできたこぶ(脳動脈瘤)が破れて出血するタイプで、くも膜下出血の原因の大多数を占めます。

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動脈瘤は前交通動脈・中大脳動脈・内頸動脈の付け根あたりにできやすいとされます。破裂する前はほとんど症状がなく、破裂して初めてわかることが少なくありません。だからこそ破裂前に見つけることが重要です(→未破裂脳動脈瘤)。

  • 原因の大多数(およそ 8 割)
  • 破裂前は無症状のことが多い
  • 破裂前に見つければ対処できる
② 脳動脈瘤以外の原因 そのほか

血管の異常・動脈の裂け目などが原因になる

生まれつきの血管の異常(脳動静脈奇形=AVM)や、動脈の裂け目(解離)、外傷などが原因になることがあります。

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まれに、出血が脳の中心の周りに限られ、経過が良い特殊なタイプ(非動脈瘤性)もあります16。原因によって治療やその後が変わるため、出血源をていねいに調べます。

  • 血管の異常(AVM
  • 動脈の裂け目(解離)・外傷
  • まれに経過の良い特殊な型も

くも膜下出血のリスク因子高血圧・喫煙・飲酒は「対処できる」リスク

くも膜下出血の危険因子で大きいのは高血圧・喫煙・過度の飲酒で、いずれも対処すればリスクを下げられるものです21。一方で、家族歴や一部の体質のように、自分では変えられないものもあります。気になる項目がある方は、一度ご相談ください。

くも膜下出血の危険因子をまとめた図。中央に脳と脳動脈瘤を置き、まわりに高血圧(血圧計)、喫煙(タバコ)、過度の飲酒(お酒)、血のつながった家族にくも膜下出血や脳動脈瘤の人がいる(家系図)、多発性のう胞腎などの体質、女性・加齢を配置している。対処できるリスクと、変えられない体質のリスクを示す。

こんなリスクはありませんか?

高血圧・喫煙・飲酒は対処できるリスクです。とくに家族歴多発性のう胞腎がある方は、破裂前に脳動脈瘤がないかを頭部 MRAで調べることが役立つ場合があります1。気になる方はご相談ください。

検査・診断出血を確認し、その出血源(脳動脈瘤)を調べます

くも膜下出血の診断では、まず出血そのものを確認し、続いて出血源(多くは脳動脈瘤)を調べます1。検査は発症から早いほど見つけやすくなります。

くも膜下出血の検査の流れを左から右へ3場面で描いたイラスト。①頭部CTで、くも膜の下の空間に出血が白く広がっているのを確認する。②CTでわかりにくいときに、MRIや背中から少量の髄液を採る検査(腰椎穿刺)を行う。③CTAやカテーテル検査(脳血管撮影)で、出血源の脳動脈瘤の場所と形を詳しく調べる。
  1. 頭部 CT 検査 くも膜の下に出血があると白く写ります。発症直後ほど見つけやすく、6 時間以内ならほぼ確実に診断できますが、時間がたつほど写りにくくなります4
  2. MRI・腰椎穿刺(CT でわかりにくいとき) CT ではっきりしないときは、MRIや、背中から少量の髄液を採る検査(腰椎穿刺〔ようついせんし〕。局所麻酔をして行います)で、出血(髄液の黄ばみ)を確認します1
  3. 出血源さがし(CTA・MRA・脳血管撮影) 出血源の脳動脈瘤の場所や形を、血管の検査(CTA・MRA)や、足の付け根などから細い管を入れるカテーテル検査(脳血管撮影)で詳しく調べます6
  4. 治療方針の相談 これらの結果から、再破裂を防ぐ治療をどう行うか、専門病院で方針を決めます。

くも膜下出血の治療再破裂を防ぐ治療が最優先 — 急性期は連携する専門病院が担います

破裂後の治療は時間との勝負で、設備の整った専門病院で行われます6。当院は症状に気づいた方を速やかに専門病院へおつなぎします。治療法(クリッピング・コイリングなど)の詳しい比較は、未破裂脳動脈瘤のページで解説します。

くも膜下出血の治療の3つの柱を左から右へ3場面で描いたイラスト。①再破裂を防ぐため、破裂した脳動脈瘤を開頭手術でクリップ留め、または血管の中からコイルでふさぐ処置。②集中治療室で、脳血管攣縮や水頭症などの合併症を点滴・モニターで管理。③リハビリ室で理学療法士に支えられ歩行訓練をするリハビリテーション。

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① 最優先

再破裂を防ぐ治療(クリッピング/コイリング)

破裂した動脈瘤は再び破れやすく、再破裂は命にかかわります。これを防ぐため、できるだけ早く動脈瘤を処置します。

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再破裂を防ぐため、発症からできるだけ早期(おおむね 72 時間以内)に、破裂した動脈瘤を処置します61。方法には、頭を開けてこぶの根元を金属クリップで挟むクリッピングと、血管の中からこぶをふさぐコイリングがあり、こぶの形や場所で選びます。

  • 再破裂を防ぐ早期の処置が要
  • クリッピング(開頭)とコイリング(血管内)
  • 方法の比較は脳動脈瘤のページ
② 急性期の山場

合併症の管理(脳血管攣縮・水頭症)

出血のあとに起こる脳血管攣縮(れんしゅく)水頭症などの合併症を、集中治療で乗り越えます。

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処置のあとも、発症 4〜14 日ごろに脳の血管が縮んで脳の血流が悪くなる脳血管攣縮や、髄液の流れが滞る水頭症などが起こることがあり、薬や処置で管理します6。この時期は集中的な管理が必要です。

  • 脳血管攣縮(4〜14日ごろに注意)
  • 髄液がたまる水頭症
  • 集中治療室での全身管理
③ 回復をめざして

リハビリテーション

後遺症に対し、できるだけ早期からリハビリを始め、生活への復帰をめざします。

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早期から始めることで、機能の回復と生活への復帰がしやすくなります。急性期病院から回復期のリハビリ病院、在宅へと、段階に応じて続けていきます。経過には個人差があります。

  • できるだけ早期から開始
  • 手足・言葉・高次脳機能などの回復をめざす
  • 生活への復帰を見すえて継続

くも膜下出血を防ぐには破裂する前に、脳動脈瘤を見つけることが最大の予防

くも膜下出血の最大の対策は、破裂する前に脳動脈瘤を見つけ、必要に応じて備えておくことです。当院では頭部 MRI・MRAで、未破裂の脳動脈瘤を調べられます。あわせて、血圧・喫煙・飲酒を整えることが破裂のリスクを下げると報告されています21

くも膜下出血の予防を表すイラスト。中央に頭部MRI・MRAの装置と、写し出された脳血管の中に見つかった小さな脳動脈瘤を描き、まわりに血圧計(血圧管理)、禁煙、節酒を配置。破裂する前に見つけて、生活習慣も整えることを示す。
  1. 最優先 — 破裂する前に脳動脈瘤がないか調べる 当院の頭部 MRI・MRAで、未破裂の脳動脈瘤がないかを調べられます。見つかった場合は、大きさ・場所などから経過観察か治療かを検討します(→未破裂脳動脈瘤1
  2. 家族歴・体質がある方は早めに相談を 血のつながった家族にくも膜下出血・脳動脈瘤の人がいる方や、多発性のう胞腎(ADPKD)の方では、頭部 MRA でのチェックが勧められることがあります1
  3. 血圧を整える 高血圧は破裂のリスクを高めます。血圧をきちんと管理することが、くも膜下出血の予防につながります2
  4. 禁煙・節酒 喫煙と過度の飲酒は、いずれもリスクを高めます。禁煙お酒を控えることで、リスクを下げられます2

当院でできること気づき・破裂前の早期発見・経過観察・予防

破裂後の急性期の治療(手術や集中的な全身管理)は、設備の整った専門病院へ救急搬送して行います。当院は地域のかかりつけとして、その前後=気づき・破裂前の発見・予防を支えます。

  1. 突然の頭痛・警告サインの相談と振り分け 「いつもと違う突然の頭痛」の相談を受け、必要な検査や受診先を判断します。突然の激しい頭痛など緊急のときは、迷わず 119です。
  2. 頭部 MRI・MRA で未破裂脳動脈瘤を発見・経過観察 当院で頭部 MRI・MRAを行い、破裂前の脳動脈瘤がないかを調べます。見つかった場合は、必要に応じて定期的に経過観察します。
  3. 破裂を防ぐ予防 — 血圧・禁煙・節酒 血圧管理を中心に、禁煙・節酒など生活習慣のリスク管理を継続的にお手伝いします。
  4. 治療後の長期フォロー・連携 くも膜下出血の治療を受けられた方の退院後の経過を地域で見守り、必要に応じて専門病院やリハビリと連携します。

救急対応が必要なサイン様子見せず救急要請を

以下にあてはまるときは様子を見ず、救急要請または救急外来へ

あなたの症状の緊急度をご確認ください

緊急

すぐに119番

  • 突然の激しい頭痛(バットで殴られたような・人生で最悪)
  • 激しい頭痛とともに嘔吐・うなじのこわばり
  • 意識がもうろう・気を失った・けいれん
119に電話する
注意

早めに受診・相談

  • 「いつもと違う突然の頭痛」が最近あった(警告頭痛かも)
  • 片方のまぶたが下がる・物が二重に見える
  • 家族にくも膜下出血・脳動脈瘤の人がいて心配
0942-42-1155 に電話
相談

予約受診・予防相談

  • 破裂のリスク(高血圧・家族歴)が気になる
  • 頭部 MRI・MRA で脳血管のチェックを受けたい
  • 未破裂の脳動脈瘤を指摘され、経過観察を相談したい
WEB予約・アクセス

よくある質問

くも膜下出血は防げますか?
A. 「絶対」はありませんが、破裂する前に脳動脈瘤を見つけて対処すれば、リスクを下げることが期待できます。重い病気だからこそ、早期発見と生活習慣がカギです。
  1. 最優先① 破裂前に見つけることが最大の防御 当院の頭部 MRI・MRAで、破裂前の脳動脈瘤がないかを調べられます。見つかれば経過観察や治療を検討します1
  2. ② 血圧・禁煙・節酒でリスクを下げる 高血圧・喫煙・過度の飲酒は破裂のリスクを高めます。これらを整えることがくも膜下出血の予防につながります2
  3. ③ 突然の激しい頭痛は迷わず 119 破裂してしまったときは一刻を争います。突然の激しい頭痛・嘔吐・意識の変化は、すぐ 119を。
「いつもと違う突然の頭痛」が出ました。受診すべきですか?
A. はい。たとえ軽くなっても、これまでに経験のない突然の頭痛は受診をおすすめします。破裂の前ぶれ(警告頭痛)のことがあります。
  1. 最優先① 突然の頭痛は前ぶれのことがある 大きな破裂の数日〜2週間前に、軽い「警告頭痛」が出ることがあります5。ここで気づければ命を守る大きな機会です。
  2. ② すぐ治まっても油断しない 「治まったから大丈夫」と見過ごされやすいのが落とし穴です。いつもと違う突然の頭痛は、早めにご相談ください。
  3. ③ 強い頭痛+嘔吐・意識の変化なら 119 激しい頭痛に嘔吐や意識の変化を伴うときは、受診を待たずすぐ 119を。
家族にくも膜下出血・脳動脈瘤の人がいます。検査すべきですか?
A. 家族歴がある方は、破裂前の脳動脈瘤を頭部 MRA で調べることが勧められる場合があります。一度ご相談ください。
  1. ① 家族歴はリスクのひとつ 血のつながった家族(とくに親・きょうだい)にくも膜下出血・脳動脈瘤の人がいると、リスクがやや高くなります。
  2. ② 頭部 MRA で破裂前に調べられる 当院の頭部 MRAで、破裂前の脳動脈瘤がないかを調べられます。家族歴のある方は対象になることがあります1
  3. ③ 多発性のう胞腎の方も対象に 多発性のう胞腎(ADPKD)などの体質がある方も、チェックの対象になることがあります。気になる方はご相談を。
未破裂の脳動脈瘤が見つかったら、必ず手術ですか?
A. いいえ。小さく破裂のリスクが低い場合は、定期的な検査で様子を見る「経過観察」も立派な選択です。大きさや場所などから総合的に判断します。
  1. ① 経過観察という選択肢がある 小さく破裂リスクが低い動脈瘤は、定期的な MRIで大きさや形の変化を見守ることがあります。
  2. ② 大きさ・場所・形・年齢などで判断 治療するかどうかは、これらを総合して決めます。最終的な判断と治療は連携する専門病院が行います。
  3. ③ 治療にもリスクがある 治療そのものにもリスクがあるため、破裂を防ぐ利益と天秤にかけて判断します。あわてて決める必要はありません。まずはご相談ください。詳しくは未破裂脳動脈瘤のページで解説します。
くも膜下出血の見通し(予後)はどのくらいですか?
A. 命にかかわる重い病気で、残念ながら救命できないこともあります。一方で、治療と回復によって社会復帰をめざせる方も多くいます。だからこそ「破裂する前に見つける」ことに大きな意味があります。
  1. ① 重症度の高い病気です 発症した方の中には、病院に着く前に亡くなることもあるなど、油断できない病気です6
  2. ② 回復して社会復帰をめざせる方も 治療とリハビリにより、およそ半数の方は身のまわりのことができる状態まで回復するとの報告もあります(経過には個人差があります)3
  3. ③ だからこそ「破裂前に見つける」意味が大きい 重い病気だからこそ、破裂する前に脳動脈瘤を見つけて備えることが、何よりの対策になります。

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つつみ脳神経外科クリニック
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