ふるえ(振戦)(しんせん:tremor)手・頭・声のふるえ — 本態性振戦とパーキンソン病の見分け、原因と治療

ふるえ(振戦)のページ冒頭イラスト。「手のふるえ “いつ出るか”から、見分けられます」の見出しとともに、湯のみを口へ運ぼうとして手がふるえる男性を中央に描く。右側には、お箸で食事中に手がふるえる動作時のふるえ、椅子で膝の上の手がふるえる安静時のふるえ、診察室で医師に手を見せて相談する場面を示し、「多くは命にかかわらず、工夫とお薬で付き合っていけます」という安心と、『いつ出るか観察・ひとりで悩まない・医師に相談』という行動を表している。
⚠ けいれんで意識を失った・急に片側の手足が動かない方はこちら

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コップや字を書くと
手がふるえる
本態性振戦が多い
じっとしていると
片手がふるえる
パーキンソン病かも
薬を始めてから
ふるえが出た
薬の見直しで改善
動悸や汗・
体重減少もある
血液検査で確かめる
パーキンソン病では
ないか心配
いつ出るかで見分け
本態性振戦と言われ
先が心配
早めに気づく目安
診察のときに
出ないか心配
動画が役立ちます
食事や字を書くのに
困ってきた
お薬で軽くできます
薬を飲んでも
ふるえが強い
頭を切らない治療も
当てはまらない方は「主な原因」から

CAUSESふるえの主な原因4つの原因と、そのほかのふるえ

「年のせいだし、放っておけばいい」

多くは心配の少ないふるえです。ただ原因によって対応が変わるので、一度見分けることをおすすめします。

見分けのいちばんの手がかりは、動かしているときにふるえる(本態性振戦)か、じっとしているときにふるえる(パーキンソン病)かです2

ふるえの主な原因を5つのアイコンで並べた図。本態性振戦(最も多い)、パーキンソン病(安静時)、薬の影響、甲状腺など全身の病気、そのほかのふるえ。
見分けの
ポイント
本態性振戦最も多いふるえ パーキンソン病じっとして出るふるえ
いつ
ふるえる?
動かすとき(コップ・字・箸) じっとしているとき。動くと止まる
左右差 左右の手が同じようにふるえる 片側から始まることが多い
頭・声の
ふるえ
伴うことがある まれ
お酒の影響 少量で一時的に軽くなる方が多い5 変わらない
家族に
同じふるえ
あることが多い7 多くはない
ほかの症状 ふるえだけのことが多い 動作の遅さ・こわばり・歩幅が小さい。便秘などが先に出ることも

動かすときに、両手がふるえる

本態性振戦

65歳以上で20人に1人1

↑ パーキンソン病との違いを表で見る
確かめ方
問診と神経の診察で見分けます。ご自宅で撮った動画が役立ちます。
対応
命にかかわらないふるえです。生活に困っていなければ経過をみて、困りごとが出てきたら生活の工夫やお薬で当院で治療します。
本態性振戦の治療へ

じっとしていると片手がふるえる

確かめ方
神経の診察と、必要なときは院内の頭部MRIで確かめます。見分けが難しいときは、連携する専門病院で脳の画像検査(DATスキャン)を行います。
対応
当院で診断し、安定期のお薬の治療も当院で行います。必要なときは専門病院と連携します。
パーキンソン病ページへ

薬を始めてから、ふるえが出た

薬の影響

どんなとき
  • お薬を始めた・増やした時期と重なって出る
  • 喘息の吸入薬・気分安定薬(リチウム・バルプロ酸)・一部の抗うつ薬・胃腸薬(吐き気止めなど)・甲状腺ホルモン薬などで起こりうる
  • 高齢の方、たくさんのお薬を飲んでいる方で起こりやすい
確かめ方
お薬手帳で、ふるえの原因になりうるお薬がないかを点検します。
対応
  • 原因のお薬を見直すと、改善が期待できる(処方元の先生と相談しながら進めます)
  • 自己判断でやめず、主治医に相談
  • 数日以内の受診が目安

動悸や汗、体重減少もある

甲状腺など全身の病気

どんなとき
細かく速いふるえに、動悸・発汗・体重減少を伴います(甲状腺の働きすぎ)。
確かめ方
血液検査で、甲状腺の働きなど体の病気を調べます2。結果は後日です。
対応
背景の病気を治すと、ふるえも軽くなります。数日以内の受診が目安です。
そのほかのふるえ

緊張やカフェイン・ストレス・まれな病気によるもの

特徴を見る閉じる
  • 緊張・疲れ・カフェインで強まる、だれにでもある軽いふるえ(生理的振戦)
  • ストレスなど心や体の状態を背景に出るふるえ。ふるえ方が変わりやすく、ほかのことに気を向けると軽くなります。「気のせい」ではなく、専門的な診察で見分けられる状態です(機能性振戦)2
  • 小脳の障害による、動作の終わりに強くなるふるえ
  • 起立性振戦・ウィルソン病など、専門的な評価が要るもの

気になるときは、診察と検査で原因を見分けます。

TREATMENT本態性振戦の治療困りごとに合わせて、生活の工夫→お薬→専門治療

本態性振戦の治療を段階順に3つのアイコンで示した図。左から、生活の工夫(まずはここから)、お薬(支障が出たら)、専門治療(難治例に)。軽い対応から段階的に組み合わせることを表している。

1まずはここから

生活の工夫

どんなとき
ふるえが軽く、生活に困っていないとき。お薬を使わずに様子をみることも、よい選択です。
何をする
  • コーヒー・お茶などカフェインをとり過ぎない
  • 十分な睡眠と休息をとる
  • 重い物は両手で持つなど、道具や持ち方を工夫する
  • 大事な場面(人前で字を書く・食事など)の前の対策は、主治医に相談
どこで
当院で助言します。

2生活に支障が出てきたら

お薬

どんなとき
  • 字が書きにくい
  • 食事や仕事に困る
  • 人前でのふるえがつらい
何をする
  • β遮断薬などを少量から始め、効果と副作用をみて量を調整する3
  • 1種類で足りないときは、組み合わせや別のお薬を検討する
  • お薬は、持病などをみて医師が選ぶ
どこで
当院で処方します。

3お薬で抑えきれないとき

専門治療

どんなとき
お薬で十分に抑えられない強いふるえで、生活に大きな支障が残るとき。
何をする
  • ボツリヌス毒素の注射3
  • 頭を切らずに超音波で行う治療(MRガイド下集束超音波治療。日本でも本態性振戦に保険適用6
  • 脳深部刺激療法3

ふるえの程度・年齢・全身の状態をみて、適応を判断します。

どこで
実施施設や専門病院へご紹介し、その後の経過は当院でフォローします。

FLOW受診から診断までの流れ問診・ふるえの診察・血液検査・MRI検査

ふるえの受診の流れを左から4場面で並べたイラスト。問診、ふるえの診察、血液検査、MRI検査。

当日(60〜90分ほど)

  1. 問診 いつふるえるか(動かすとき/じっとしているとき)、始まり方・進み方、生活への影響、飲んでいるお薬、ご家族のふるえ、お酒で軽くなるか、動悸・体重減少・発汗の有無をうかがいます。お薬手帳をお持ちください。
  2. ふるえの診察 どんなときにふるえるか、左右差、動作の遅さやこわばりの有無を診ます。
  3. 血液検査 甲状腺の働きなど、ふるえの背景になる体の病気を調べます。
  4. MRI検査 必要なとき、院内で撮ります。

後日

  1. 結果説明 血液検査の結果をお伝えし、経過をみるか治療を始めるかを一緒に決めます。
  2. DATスキャン(必要なときだけ) パーキンソン病との見分けが難しいとき、連携する専門病院で行う脳の画像検査です。

WARNING SIGNSふるえの緊急度119番/数日以内/予約の 3 段階

あなたの症状の緊急度をご確認ください

緊急

すぐに119番

  • けいれんで意識を失った・止まらない
  • 急に片側の手足が動かない・ろれつ困難・顔のゆがみ(脳卒中)
  • 頭を強くぶつけたあとのふるえ・けいれん
  • 急に強くなったふるえに加え、高熱・大量の汗・激しい動悸・意識がもうろうとする
  • 高熱と全身の強いこわばり・意識低下(パーキンソン病などのお薬を急にやめたあとなど)
119に電話する
注意

数日以内に受診

  • 急に始まった・急に強くなったふるえ
  • 薬を始めてからふるえが出た
  • 動悸や汗・体重減少を伴うふるえ
0942-42-1155 に電話
相談

予約受診・経過相談

  • 徐々に進む手や頭のふるえが気になる
  • 本態性振戦の治療やお薬の相談
  • ご家族のふるえが気になる
WEB予約・アクセス

FAQよくある質問

本態性振戦は、パーキンソン病になりますか?
A. なる方もいます。振戦のない方より高く、決して少なくない数なので、変化に早く気づけるよう経過をみていきます。
  1. ① 生涯で発症するのは、男性で約9%・女性で約6% と推計されています(振戦のない方は、男性で2%・女性で約1%)4
  2. ② 早めに気づく目安 じっとしているときのふるえ・動作が遅くなる・歩幅が小さくなる、が出てきたら受診のサインです。
  3. ③ 早めの診断と治療を パーキンソン病は、早めの診断と治療が経過を左右します。定期的にみていくことで、変化に早めに気づけます。
お酒を飲むとふるえが治まります。飲んでよいですか?
A. 一時的に軽くなる方はいますが、治療として飲酒に頼ることはおすすめしません。
  1. ① 本態性振戦の特徴のひとつです 本態性振戦では、少量のお酒で一時的にふるえが軽くなる方がいます5。これは本態性振戦らしさを示す手がかりのひとつでもあります。
  2. ② 治療としての飲酒はすすめません 効果は一時的で、量が増えやすく、飲み過ぎは健康を害したり依存につながるおそれがあります。ふるえ対策としての飲酒はおすすめしません
  3. ③ 困っていればお薬で対応できます 生活に支障があるふるえは、飲酒に頼らなくてもβ遮断薬などのお薬で対応できます3。お気軽にご相談ください。
ふるえは何科を受診すればよいですか?
A. 脳神経内科・脳神経外科へ。当院でふるえの見分けと治療を行います。
専門治療(集束超音波・脳深部刺激療法など)は、どんな人が対象ですか?
A. お薬で十分に抑えきれない、強い本態性振戦が対象です。実施施設や専門病院で適応を判断します。
ふるえは遺伝しますか?
A. 本態性振戦はご家族にも同じふるえがある方が多く、受け継がれる傾向がありますが、家族歴のない方もいます。
  1. ① ご家族に同じふるえがある方が多い 本態性振戦は、血のつながったご家族にも同じようなふるえがある方が多いことが知られています7
  2. ② 必ず遺伝するわけではありません 多くの家系で受け継がれる傾向がある一方で、ご家族にふるえのない方にも起こります。「家族にいるから必ずなる」というわけではありません。
  3. ③ 心配なときはご相談を ご家族のふるえが気になる・若いうちからふるえがある、などの場合は、一度ご相談ください。原因の見分けからお手伝いします。

アクセス・診療時間

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つつみ脳神経外科クリニック
曜日 日・祝
午前 9:00 – 12:30 休診
午後 14:00 – 18:00 14:00 – 17:00 14:00 – 18:00 14:00 – 17:00

※ 受付は午前・午後ともに診療終了の30分前までです。日曜・祝日・お盆・年末年始は休診です。

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〒833-0054 福岡県筑後市大字蔵数642-7