TIA(一過性脳虚血発作)(いっかせいのうきょけつほっさ:transient ischemic attack)症状が消えても “治った” ではありません

TIA(一過性脳虚血発作)のページ冒頭イラスト。「その症状、消えても油断しないで」の見出しとともに、片方の手足の脱力・言葉の出にくさ・片目が一瞬カーテンのように見えなくなる一過性黒内障といった、短時間で消える一時的なサインを描いている。TIAは脳梗塞の前触れであることを示す。
⚠ 突然の手足の脱力・ろれつ困難・片目の見えにくさが(消えても)あった方はこちら

TIA(一過性脳虚血発作)とは消えても “治った” ではなく、脳梗塞の “前触れ”

TIA は、脳や目(網膜)の血管が一時的に詰まりかけて血流が足りなくなる発作です。片麻痺・言葉の障害・視覚の異常などが突然あらわれ、短時間で消えてしまいます

多くは数分〜1 時間以内、長くても 24 時間以内に消えます12

ただ、その血管はいつ本格的に詰まってもおかしくない状態です。“治った”ではなく、“次の本番(脳梗塞)の警告”と受け止めてください。

TIA のサイン突然あらわれて、短時間で消えるのが特徴

脳梗塞とまったく同じサインが、突然あらわれて短時間で消えるのが TIA です。本人より、ご家族や周囲の方が先に気づくことも多いサインです。

こんな症状が"突然"出て、短時間で消えませんでしたか?

これらの症状が1つでも突然あらわれ、短時間で消えたなら、TIA の可能性があります。消えても安心せず、すぐに受診してください。迷うときは当院(0942-42-1155にもご相談ください。

様子見が危険な理由TIA は脳梗塞の直前サイン。消えた直後ほど危ない

TIA の本当の怖さは、症状そのものではなく、その後に本物の脳梗塞が続くことにあります。しかも症状が消えた直後ほどリスクが高いのです1

似た症状との見分け自己判断せず、受診で確かめることが大切

TIA とよく似て見えても、別の病気のことがあります。逆に「大したことない」と思っても TIA のことがあります。下の一覧は見分けの参考ですが、確定診断は受診で行います。突然の症状があったときは、自己判断で様子を見ないでください。

前兆のある片頭痛 ギザギザの光(閃輝暗点)や視野のかすみが数分かけて広がり、あとから頭痛が来ることが多い TIA との違い閉じる

TIA は症状が突然始まります。片頭痛の前兆は数分かけて広がり、若い頃からくり返すことが多いのが特徴です。

てんかん発作 手足のぴくつき(けいれん)や、しびれ・感覚の異常が体の一部から広がる TIA との違い閉じる

TIA は手足の力が抜ける・感覚が鈍ることが多いです。てんかんは手足がぴくぴく動く・けいれんを伴い、体の一部から広がることが多いのが特徴です。

一過性全健忘 急に新しいことを覚えられなくなり、同じ質問をくり返す。数時間で自然に元に戻る TIA との違い閉じる

麻痺やろれつ困難などの手足・言葉の症状はないのが特徴です。記憶だけの症状です。

立ちくらみ・失神 立ち上がったときなどに目の前が暗くなる・気が遠くなる。両目・全身に起こる TIA との違い閉じる

TIA の視覚症状は多くが片目または片側の視野です。失神は両目・全身で、姿勢と関係しやすいのが特徴です。

低血糖 冷や汗・動悸・手のふるえ・ぼんやりする。糖尿病の薬を使っている方に多い TIA との違い閉じる

TIA は血糖と関係しません。低血糖は糖分をとると改善することが多いのが特徴です。

メニエール病 ぐるぐる回るめまいに、耳鳴り・難聴・耳のつまり感を伴う。くり返す TIA との違い閉じる

TIA のめまいは、麻痺・ろれつ困難・物が二重に見えるなど、ほかの神経症状を伴うことがあります。

検査・診断脳・血管・心臓を調べて、原因と再発予防を決めます

TIA の診断では、症状が消えていても原因を見極めることが大切です。脳・首の血管・心臓を調べ、どんな再発予防が必要かを判断します。当院では MRI による精査が可能です。

  1. MRI・MRA 脳に小さな梗塞ができていないか、脳や首の血管の狭窄(細さ)がないかを調べます。MRA は血管そのものを写す検査です。
  2. 頸動脈エコー 首の動脈の動脈硬化(プラーク)や狭窄を、体への負担なく調べます。ここがTIA ・脳梗塞の原因になっていることがあります。
  3. 心電図 脳梗塞の原因として重要な心房細動などの不整脈がないかを調べます。
  4. 血液検査 血糖・コレステロールなど、動脈硬化の背景になる生活習慣病を調べます。
  5. 原因の見極めと再発予防の相談 これらの結果から原因を見極め、再発予防の薬と生活管理の方針をいっしょに決めます。

治療・再発予防原因に合わせて、脳梗塞を防ぎます

TIA の治療の目標は、後に続く脳梗塞を防ぐことです。原因に合わせた薬と、生活習慣病の管理が柱になります1。急性期の精密検査や入院が必要な場合は、連携する専門病院が担います。

気になるカードをタップすると詳しい説明が開きます

① 多くの場合の柱

抗血小板薬

血小板が固まるのを抑え、血の塊(血栓)ができにくくする薬です。動脈硬化が背景の TIA で予防の中心になります。

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アスピリンなどの抗血小板薬で、TIA 後に続く脳梗塞のリスクを下げます。発症してできるだけ早く始めることが大切です1。どの薬をどう使うかは、原因や持病に合わせて医師が判断します。

  • 動脈硬化が背景の TIA で中心
  • できるだけ早く開始するほど効果的
  • 自己判断で中断しない
② 心房細動があるとき

抗凝固薬

心臓(心房細動)にできた血栓が原因のときは、血を固まりにくくする抗凝固薬で予防します。

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心房細動などの不整脈が背景にある場合は、抗血小板薬ではなく抗凝固薬が予防の中心になります1。原因を見極めることが、薬を選ぶ第一歩になります。

  • 背景に心房細動などの不整脈
  • 心臓にできる血栓を防ぐ
  • 検査で原因を確かめてから開始
③ すべての土台

生活習慣病の管理・生活改善

高血圧・糖尿病・脂質異常症の管理と禁煙は、どんな TIA でも共通の土台です。

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薬だけでなく、動脈硬化を進める生活習慣病の管理がとても大切です1。血圧・血糖・コレステロールの管理、禁煙、適正体重、適度な運動、お酒を控えめにすることが、脳梗塞の予防につながります。

  • 血圧・血糖・コレステロールの管理
  • 禁煙・適正体重・適度な運動
  • 頸動脈の強い狭窄には手術・ステントを検討することも

当院でできること受診の振り分け・MRI 精査・再発予防の長期フォロー

TIA は「消えたから受診しない」がいちばん危険です。当院は地域のかかりつけとして、受診の振り分けから再発予防までを支えます。

  1. 気になる症状の相談・受診の振り分け 「もしかして TIA かも」という症状の相談を受け、必要な検査や受診先を判断します。今まさに症状があるときは迷わず 119です。
  2. MRI などによる精査 MRI・MRA・頸動脈エコー・心電図などで、TIA の原因と脳の状態を調べます。
  3. 脳ドックでの早期発見 症状が出る前でも、脳ドックで隠れた血管の狭窄や動脈硬化が見つかることがあり、予防につなげられます。リスクが気になる方はご相談ください。
  4. 再発予防の薬と長期フォロー 原因に合わせた薬の処方と、血圧・血糖・脂質・心房細動などのリスク管理を、継続的に行います。専門病院での精査が必要な場合は速やかにおつなぎします。

あなたの症状の緊急度をご確認ください

緊急

すぐに119番

  • 今まさに片側の脱力・ろれつ困難・顔のゆがみがある
  • 今まさに片目の見えにくさ・激しいめまいで歩けない
  • 症状が続いている・くり返している
119に電話する
注意

消えてもその日のうちに受診

  • 上のような症状が出たが、短時間で消えた
  • 「ひとつだけ」「すぐ消えた」が気になる
  • 高血圧・糖尿病・心房細動などの指摘がある
0942-42-1155 に電話
相談

予約受診・予防相談

  • 脳梗塞のリスクが気になる
  • MRI・脳ドックで予防的なチェックを受けたい
  • 再発予防やお薬の相談
WEB予約・アクセス

よくある質問

症状がすぐ消えました。様子見でいいですか?
A. いいえ。症状が消えた直後ほど脳梗塞のリスクが高く、すぐに受診してください。
  1. ① 消えても「前触れ」かもしれません 片側の脱力・ろれつ困難・片目の見えにくさなどが短時間で消えるのは TIA(一過性脳虚血発作)かもしれません。これは本物の脳梗塞の前触れです1
  2. ② 消えた直後ほど危険です TIA のあと、脳梗塞は最初の数日(とくに 48 時間)に集中して起こりやすいことが分かっています1。「消えたから大丈夫」ではなく、消えたあとこそすぐ受診を。
  3. ③ 早く対応すれば防げることも 早く受診して原因を調べ、予防を始めれば、後から起こる脳梗塞を防げる可能性があります。症状が出てから数日たっていても、受診する意味があります。
TIA と脳梗塞は何が違うのですか?
A. 症状は同じですが、TIA は短時間で消え、脳に傷が残らないことが多い点が違います。ただし TIA は脳梗塞の前触れです。
  1. ① 症状はほぼ同じ 片麻痺・ろれつ困難・視覚の異常など、出るサインは脳梗塞と同じです。違いは症状が消えるかどうかです。
  2. ② TIA は短時間で消え、傷が残らない TIA は血流がすぐ戻り、多くは脳に傷が残りません。脳梗塞は血流が戻らず、脳に傷が残って症状が続きます。ただし MRI で小さな傷(梗塞)が見つかれば、症状が消えていても “脳梗塞” と診断されることがあります。だから検査が大切です2
  3. ③ TIA は脳梗塞の「警告」 TIA は、近いうちに脳梗塞が起こるサインです。「軽い脳梗塞」ではなく「脳梗塞の予告」と考えてください。
TIA は何科を受診すればよいですか?
A. 脳神経外科・脳神経内科が専門です。当院でも MRI で原因を調べ、再発予防を始められます。
  1. ① 脳神経外科・脳神経内科へ 脳と血管の専門である脳神経外科・脳神経内科が適しています。当院もそのひとつです。
  2. ② 今まさに症状があるなら 119 受診先を迷う前に、今まさに症状が続いているときは迷わず 119 で救急要請してください。
  3. ③ 消えた場合も先延ばしにしない 症状が消えていても、できるだけ早く受診を。迷うときは当院(0942-42-1155)にご相談ください。
検査では何をしますか?
A. MRI・MRA、頸動脈エコー、心電図などで、脳・首の血管・心臓を調べて原因を見極めます。
  1. ① 脳と血管を見る(MRI・MRA) 小さな梗塞がないか、脳や首の血管の狭窄がないかを調べます。当院でも MRI が可能です。
  2. ② 首の動脈を見る(頸動脈エコー) 首の動脈の動脈硬化・狭窄を、体への負担なく調べます。
  3. ③ 心臓を見る(心電図) 原因として重要な心房細動がないかを調べます。短い検査で見つからないときは、長く記録する検査も検討します。
一度 TIA になったら、必ず脳梗塞になりますか?
A. 必ずではありません。ただしリスクは高く、適切な予防でそのリスクを下げられます。
  1. ① 必ず起こるわけではありません TIA のあと、全員が脳梗塞になるわけではありません。けれども、何もしないとリスクが高い状態が続きます1
  2. ② 予防でリスクを下げられます 原因に合わせた薬と、血圧・血糖・脂質・禁煙などの管理で、後の脳梗塞のリスクを下げられます。だからこそ早い受診が大切です。
  3. ③ 続けることが力になります 調子がよくても自己判断で薬をやめないでください。継続的な管理が「次」を防ぎます。
家族が症状に気づいたのに、本人が「大丈夫」と言い張ります。どうすればよいですか?
A. TIA はご本人が軽く考えがちです。ご家族が気づいたら、本人が「大丈夫」と言っても、その日のうちの受診を強くおすすめします。
  1. ① 本人は気づきにくく、軽く見がち TIA の症状は短時間で消えるため、ご本人は「気のせい」「もう治った」と考えがちです。けれども、消えたあとこそ脳梗塞のリスクが高い時期です。
  2. ② 家族が気づいたサインは大切な手がかり ろれつが回らなかった・片手が一瞬使えなかった・顔がゆがんだなど、ご家族や周囲が気づいたサインは、本人の自覚以上に大切です。
  3. ③ 付き添って、その日のうちに受診を 「念のため一度だけ診てもらおう」と背中を押し、できればご家族が付き添って受診してください。迷うときは当院(0942-42-1155)にご相談ください。

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つつみ脳神経外科クリニック
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