むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)(むずむずあししょうこうぐん:restless legs syndrome/RLS)夕方から夜、じっとしていると脚を動かしたくなります
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ABOUTむずむず脚症候群とはじっとしていると、脚を動かしたくなる
じっとしているときに、脚に不快な感覚が起こり、脚を動かしたい強い気持ちにおそわれる病気です1。
4つの特徴
- 脚を動かしたい強い気持ちがあり、多くは不快な感覚をともなう
- 横になる・座るなど、じっとしていると始まる・強くなる
- 歩く・脚を伸ばすなど、動かしている間は楽になる
- 昼間より、夕方から夜に起こる・強くなる1
4つがそろい、似たほかの病気ではないことを医師が確かめて診断します12。問診と血液検査が中心で13、一晩泊まる検査は、多くの場合いりません1。
言葉にしにくい感覚
「むずむず」「虫が這うような」「ピリピリ」「ほてる」「じっとしていられない」「言葉にできないつらさ」など、感じ方は人によってさまざまです。受診のときは、この中の近い言葉をそのままお伝えください。
日本のある町で調査に答えた大人2,812人のうち、約50人に1人(1.8%)にみられました4。女性に多く4、米国の指針では男性の約1.5倍とされています3。
「こんなことで、
受診していいの?」
この病気の方の多くが、寝つけない・途中で目が覚めるといった眠りの悩みを抱えています3。原因を調べ、治療を選べる病気です。一人で我慢せずに、ご相談ください。
眠っている間の脚のピクつき
眠っている間に、脚がピクッ、ピクッとくり返し動くことがよくあります(睡眠時周期性四肢運動)3。ご本人は眠っていて気づかないため、一緒に寝ている方が気づいたら、受診のときにお伝えください。ピクつきがあっても、眠りや日中の調子に困っていなければ、必ずしも治療が必要とは限りません3。
似たもの
脚の不快感は、ほかの病気でも起こります。見分けが大切です13。
| 似たもの |
見分けの手がかり |
| こむら返り |
寝ている間などに、脚の筋肉がつって痛むもの。むずむず脚症候群は、痛みよりも「動かしたい」気持ちが中心で、動かしている間は楽になるのが特徴です。 |
手足の しびれ |
手足の神経の病気でも、似た感覚が出ます。診察で見分けます。→ 手足のしびれ(末梢神経) |
姿勢・ 関節の痛み |
同じ姿勢が続いたときの不快感や、ひざなどの関節の痛みでも、似た訴えになります。 |
お薬による そわそわ |
精神科のお薬の一部などで、じっとしていられなくなることがあります。これをアカシジアといいます。飲んでいるお薬は、すべてお伝えください。 |
CAUSES起こりやすくなること鉄不足・お薬・体の状態
はっきりした原因が見当たらない方もいます。次のようなときは、起こりやすい・強くなりやすいことがわかっています。
鉄が足りない
この病気では、血液検査で鉄の量を調べ、鉄が足りないとわかったときに補うことがすすめられています3。鉄の量は、フェリチン(体の鉄のたくわえの量)などで確かめます。鉄のサプリメントを飲む前に、まず検査を受けましょう。
体の状態
- 妊娠中:起こりやすくなります3。多くは、出産後におさまります5。妊娠中は、お薬を使わない工夫と、鉄が足りているかの確認から始めます6。産婦人科の主治医とも相談しながら進めます。
- 腎臓の働きが落ちている方(腎臓の数値が悪いと言われた方)・透析中の方:起こりやすいことがわかっています78。お薬の種類と量は、腎臓の働きに合わせて決めます(→ 治療について)。→ 慢性腎臓病
悪くすることがあるもの
次のものは、症状を悪くすることがあります39。
- カフェイン(コーヒー・お茶など)・お酒(アルコール)
- 眠くなるタイプのかぜ薬・アレルギー薬・市販の睡眠改善薬(抗ヒスタミン薬という、眠気の出る成分を含むもの)
- 一部の抗うつ薬、一部の吐き気止め・精神科のお薬
- 治療していない睡眠時無呼吸(→ 睡眠時無呼吸症候群)
処方されているお薬は、自己判断でやめず、処方した医師にご相談ください。市販の睡眠改善薬は控え、眠れないときは受診のときにご相談ください。
FLOW受診から治療までの流れ問診と血液検査のあと、治療を始めます
当院で
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症状をうかがう
いつから・脚のどこに・どんな感じかをうかがいます。感じ方は近い言葉でかまいません。お薬手帳(市販薬も)をお持ちください。受付・問診票で「夜に脚がむずむずする」とお伝えください。
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血液検査
鉄・フェリチン・TSAT(鉄を運ぶ割合)・腎臓の働きを調べます。似たほかの病気がないかも確かめます。
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治療を始める
結果をみて、治療を始めます。
専門機関で(必要なときだけ)
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点滴の鉄
飲み薬の鉄で足りないときや続けられないときに、点滴で鉄を補うことができる医療機関をご紹介します3。
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睡眠の検査(PSG)
診断に迷うときや、ほかの睡眠の病気が疑われるときに、検査のできる医療機関をご紹介します。一晩泊まり、眠っている間の脳波や脚の動きなどを記録する検査です1。
当院で続けて
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定期的な通院
お薬の効き目・副作用と、増強現象のサインがないかを確かめます。長く飲んでいるお薬の見直しも、当院でご相談いただくことができます。
TREATMENT治療について生活・鉄・お薬の順に
治療は、症状の重さに合わせて、下の順に進めます13。症状が軽い方や、たまにしか出ない方は、STEP1・2から始めます1。
1まずはここから
生活を見直す
- どんなとき
- 症状の重さにかかわらず、まず最初に行います3。
- 何をする
- カフェイン・お酒を控える
- 悪くすることがあるお薬を、処方した医師と見直す
- 睡眠時無呼吸があれば、その治療をする3
- 軽い方は、運動を取り入れる1
2検査で鉄が足りなければ
鉄を補う
- どんなとき
- 血液検査で鉄が足りないとわかったとき(米国睡眠医学会の指針で紹介されている目安=フェリチン75 ng/mL(血液検査の値)以下、またはTSAT 20%未満)3。
- 何をする
- 飲み薬の鉄剤で補います。飲み薬で足りない・続けられないときは、点滴で補う方法もあります3。鉄剤は、むずむず脚症候群の治療薬としては承認されていないお薬です。検査で鉄の不足がわかったときに、その治療として使います1。
3それでも眠りや暮らしに差し支えるとき
お薬
- 何をする
- ドパミン系のお薬(脳の中のドパミンの働きを補うお薬):飲み薬のプラミペキソールと、貼り薬のロチゴチン
- 神経の高ぶりをしずめるお薬:ガバペンチン エナカルビル(1日1回、夕食後)101112
日本の診療ガイドライン(2024年)で、どちらも強くすすめられています1。神経の高ぶりをしずめるお薬は主に、ドパミン系のお薬が効きにくいときや使えないときに使います12。
- 注意
- どちらの系統も、使っている間は車の運転はできません101112。運転する方は、お薬を選ぶ前に必ずお伝えください
- ドパミン系のお薬は、妊娠中・妊娠の可能性がある方は使えません。前ぶれなく急に眠りこむことや、買い物・ギャンブル・食べることがやめられない変化が起こることがあります。ご家族が気づいたら、ご相談ください1011
- 腎臓の働きに合わせて、お薬の種類と量を決めます1012
ここにあげたお薬は、いずれも中くらいから重いむずむず脚症候群の治療薬として、国内で承認されています101112。
お薬が効きにくくなったら
(増強現象)
ドパミン系のお薬(パーキンソン病に使うレボドパも同じ仲間です)を長く使っていると、かえって症状が強くなることがあります。これを増強現象といいます3。サインは次の3つです1011。
- 症状が出る時間が、以前より2時間以上早まる(昼から出るなど)
- 症状が強くなる
- 腕など、ほかの場所にも広がる
自己判断でやめたり増やしたりせず、ご相談ください。当院でお薬の見直しを行います1。
欧米の報告では、プラミペキソールなどを10年使った方の4〜7割に起こるとされています9。サインに早く気づけば、お薬の見直しにつなげられます。
米国睡眠医学会の指針は、この増強現象を心配して、ドパミン系のお薬を標準としては使わない立場です3。
パーキンソン病の方へ
パーキンソン病の方の約5人に1人に、むずむず脚症候群がみられます13。
- 見分け:よく似た症状があります1415。当院で見分けます。
| 似た症状 |
見分けの手がかり |
| お薬の切れ目 |
お薬の効き目が切れてくると、脚が不快になる14。 |
アカシジア (そわそわ) |
じっとしていられない。夕方から夜に強くなるとは限らず、動いても楽にならない15。 |
| ジストニア |
筋肉がこわばり、ねじれるように動く。早朝に多い15。 |
- 鉄:血液検査で、鉄の量も確かめます。
- お薬:パーキンソン病のお薬もドパミン系です。パーキンソン病のお薬と合わせて、飲み方の調整を相談します。
むずむずする症状が強くなっても、自己判断で減らさず、ご相談ください。