脂質異常症(ししついじょうしょう:dyslipidemia/コレステロール・中性脂肪)コレステロールを整えて、脳の健康を守りましょう
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ABOUT脂質異常症とは診断される値と、めざす値
脂質異常症は、血液中のあぶら(脂質)のバランスがくずれた状態です。健診の血液検査で、次のどれかに当てはまると脂質異常症と診断されます4。
| 検査項目 |
診断される値 |
よび方 |
| LDLコレステロール(悪玉) |
140mg/dL 以上 |
高LDLコレステロール血症 |
| HDLコレステロール(善玉) |
40mg/dL 未満 |
低HDLコレステロール血症 |
| 中性脂肪(トリグリセライド) |
150mg/dL 以上(空腹時)175mg/dL 以上(空腹時でないとき) |
高トリグリセライド 血症 |
Non-HDL コレステロール |
170mg/dL 以上 |
高non-HDLコレステロール血症 |
空腹時=10時間以上なにも食べていないとき(水やお茶は可)です。LDL 120〜139 は「境界域」とよばれます。日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」による4。
めざすLDLの値
健診の基準値(LDL 140以上)は、脂質異常症かどうかを見分ける線です。治療でめざすLDLの値は、ほかのリスク因子によって一人ひとり違います。リスクが低い方は、140以上でもすぐにお薬とは限らず、まず生活の見直しから始めます4。
あなたの区分は、この順で決まります
- 脳梗塞(首や脳の太い血管の動脈硬化による)・心筋梗塞になったことがあるはい → 再発予防
- 糖尿病・慢性腎臓病・足の血管の動脈硬化(末梢動脈疾患)があるはい → 高リスク
- ①も②もない点数で 低・中・高リスク
| どんな方か |
LDLの目標 |
①に当てはまる方 (アテローム血栓性脳梗塞・ 心筋梗塞など)(再発予防) |
100mg/dL 未満 (糖尿病や家族性高コレステロール血症などがあり、とくにリスクが高い方は 70 未満) |
②に当てはまる方、 ③で点数が高い方(高リスク) |
120mg/dL 未満 |
| ③で点数が中くらいの方(中リスク) |
140mg/dL 未満 |
| ③で点数が低い方(低リスク) |
160mg/dL 未満 |
③の点数(久山町研究のスコア)は、年齢・性別・血圧・血糖・LDL・HDL・喫煙から診察で計算します。80歳未満の方の目安です4。自分の目標値は、診察のときに一緒に確認しましょう。
COMPLICATIONS放置するとどうなるか脳梗塞、そして認知症・心臓へ
「症状がないし、様子見でいい?」
症状がなくても、血管の壁にコレステロールがたまり、動脈硬化は進みます。脂質異常症は、脳梗塞の原因になります1。早めに気づいて数値を整えれば、そのリスクは下げていけます。
脳梗塞との関係
LDLコレステロール(悪玉)が高い状態が続くと、頸動脈(首の太い血管)や脳の血管が少しずつ狭くなり、そこにできたプラーク(血管の壁のこぶ)が原因で起こる脳梗塞(アテローム血栓性脳梗塞)の背景になります1。中性脂肪が高いことや、HDLコレステロール(善玉)が低いことも、将来の脳梗塞と関わります4。
認知症との関係
中年期の高いLDLコレステロールは、2024年に将来の認知症のリスク因子の一つとして新たに挙げられました2。お薬で下げることで認知症が心配な方は、よくある質問をご覧ください。
6つの生活習慣病と脳の関係は生活習慣病と脳のページで、ご家族に脳卒中の方がいる場合は脳卒中のページをご覧ください。
TREATMENT治療(生活改善とお薬)まず生活の見直し。必要ならお薬を組み合わせます
治療は、食事・運動などの生活の見直しが土台です。リスクが低い方は、まず生活の見直しから始めます。十分に下がらないときや、脳梗塞・心筋梗塞のあとなどリスクが高い方には、お薬を組み合わせます4。
あぶらの「質」を見直す
- 目安
- 肉の脂身・バター・生クリーム・洋菓子・揚げ物に多い脂は、LDLコレステロールを上げます4
- 続け方
- 肉は脂身の少ない部位を選ぶ
- 揚げ物・洋菓子は回数を減らす
- 調理は、揚げるより蒸す・焼く
- 注意・相談
- 卵は食べ過ぎないようにしましょう。LDLが高い方は、食事のコレステロールを1日200mg未満にすることがすすめられています4。卵1個(Mサイズ)で、コレステロールは約200mgです6。量は、食事全体で考えましょう
青魚・食物繊維・大豆を増やす
② 食事のもう一工夫
コレステロールや中性脂肪を整えます
- 目安
- 青魚(いわし・さば・あじ)や、野菜・海藻・きのこ・大豆製品を毎日の食事に4
- 続け方
- 中性脂肪が高い方は、甘いもの・お酒・糖質のとりすぎを見直すと下がりやすくなります
運動・減量・節酒・禁煙
③ 体と生活を整える
中性脂肪を下げ、善玉を増やします
- 目安
- ウォーキングなどの有酸素運動
- 適正体重に近づける
- 禁煙
- お酒は控えめに4
- 続け方
- 無理のない範囲で毎日。少しの減量でも数値は動きます
- 注意・相談
- 持病のある方は、運動を始める前に一度ご相談ください
コレステロールを下げるお薬
④ 必要なとき
生活の見直しで十分下がらないとき、リスクが高いときに
- 選び方
- 種類は、今の数値・持病・めざす値に合わせて選びます4
- 続け方
- 血液検査で、効果と肝臓・筋肉の状態を確かめながら調整します
- 注意・相談
- 筋肉のだるさ・痛みを感じても、多くはお薬以外が原因です5。自己判断でやめずにご相談ください。ただし、強い筋肉の痛みや、力が入りにくいときは、次の受診を待たずにすぐご連絡ください4
「薬は一生、やめられないの?」
必ずしもそうとは限りません。生活の見直しで数値が安定すれば、減らせる場合もあります。ただし、脳梗塞・心筋梗塞のあとの方が自己判断でやめると、再発の危険が高まります。数値を見ながら、担当医と一緒に調整しましょう。
OUR CLINIC当院でできること内服・血液検査・血管と脳の確認・生活のご相談
当院は地域のかかりつけとして、コレステロールの管理から、脳を守る予防までを一緒に続けていきます。いま別の内科にかかっている方も、かかりつけの先生と併行して、脳を守る視点での相談・検査だけを受けていただけます。
通院のたびに
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内服治療と血液検査
お薬によるコレステロール・中性脂肪の管理と、血液検査で効果や体の状態(肝臓・血糖・腎臓など)を定期的に確認します。
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生活面のご相談
食事のあぶらの選び方、運動、減量など、続けられる工夫を一緒に考えます。
必要に応じて
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血管や脳の状態を確認
頸動脈エコーで首の血管の壁やプラークを、MRI・CTで脳の状態を確かめます。
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専門機関へのご紹介
家族性高コレステロール血症が疑われるときなど、専門的な検査・治療が必要なときは、医療機関をご案内します。
FAQよくある質問
閉経してから、LDLコレステロールが上がりました。
A. 閉経のあとは、LDLコレステロールが上がりやすい時期です。食事や生活に気をつけていても上がることがあります。
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① 閉経後は上がりやすい
閉経後はLDLコレステロールが増え、動脈硬化の病気のリスクが高まります4。
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② 一度、今の数値とリスクを確かめましょう
ご家族の病気(若くして心筋梗塞など)も含めて、めざす値は一人ひとり違います。まずは生活の見直しから、必要に応じてお薬を考えます。
コレステロールを下げると、認知症が心配なのですが。
A. お薬でLDLコレステロールを下げても、認知症が増える心配はないと考えられています。むしろ少ないという報告もあります。
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① 増やす心配は小さいと考えられています
LDLコレステロールが低い方で、認知症が少なかったという報告があります3。
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② 「予防できる」とまでは言えない段階です
ただしこれは「関連」を見た研究で、「下げれば認知症を予防できる」と言い切れる段階ではありません。過度な期待も心配も不要、というのが今の受け止め方です。